2位の『波うららかに、めおと日和』は、個人全体注目度65.5%という数値で、好発進を切った。
本作品は、漫画アプリ「コミックDAYS」で連載中の西香はち氏による同名コミックが原作。昭和11年の日本を舞台にした、ハートフルな新婚ラブコメディだ。交際ゼロ日で結婚した男女が、初々しくもじれったい夫婦生活を通じて少しずつ心を通わせていく姿を描いている。
主人公の江端なつ美を演じるのは、『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS)に続き、2クール連続でゴールデン・プライム帯の連続ドラマ主演を務める芳根京子。そしてなつ美の夫である江端瀧昌役には今大注目の若手俳優・本田響矢が抜てきされた。
関谷家の四姉妹の三女であるなつ美は、突然の縁談により帝国海軍の中尉・江端瀧昌と結婚することになった。しかし結婚式当日、瀧昌が海軍の訓練で来られなくなり、なんと写真だけの結婚式を挙げることに…。なつ美は恋愛経験がなく、男性への免疫がないままに突然新婚生活が始まる。一方の瀧昌も生真面目で無口な性格で、女性への接し方が不慣れなため、2人の距離はなかなか縮まらない。
この作品が大きな支持を集めた一番の理由は、なんといっても2人のピュアすぎる恋愛模様。ぎこちないながらも少しずつお互いの優しさに気づき、心を通わせていく様子にキュンとする視聴者が続出した。初回放送後、SNSには「初々しい2人が可愛すぎる」「致死量のキュンを浴びた」という声が多数投稿され「不倫やドロドロした恋愛ではなく、こういうのが見たかった」という声も聞かれた。本作品は特に女性の注目度が高く、トキメキを求める女性たちの心を見事つかんだといえそうだ。
また、昭和11年という時代背景も大きなポイント。携帯電話もない時代における人と人との距離感や、日常の中にある小さな幸せが丁寧に描かれている。激しいアクションやスリリングな展開よりも、テレビドラマに癒やしを求める、比較的年齢層が高い女性に特に刺さる内容だったと思われる。現代社会にはないゆったりとした時間の流れや、お互いを思いやる奥ゆかしい2人の距離感に、癒やされる視聴者が多かったのではないだろうか。
主演の芳根さんと本田は本作品が初共演だが、ネット上ではすでに「とてもお似合いな夫婦」という声が多数上がっている。今後、作中の2人が距離を縮めていくにつれて、視聴率・視聴質のさらなる上昇も期待できそうだ。
「考察」要素も注目度の高さに貢献
TBS系日曜劇場の『キャスター』は、個人全体注目度65.2%を獲得し、見事3位にランクイン。世帯視聴率も14.0%で1位を獲得し、毎クール高い視聴率を獲得している日曜劇場枠が、今クールもその圧倒的な強さを見せつけた。
『キャスター』は、報道番組の裏側を描いた社会派エンタテインメントドラマ。視聴率低迷に悩む報道番組『ニュースゲート』の新キャスターに、公共放送から引き抜かれた敏腕キャスター・進藤壮一(阿部寛)が就任するところから物語がスタートした。第1話では、「この番組を正すためにやってきた」と豪語し、型破りなスタイルで独自に取材や調査を行っていく進藤と、それに振り回される番組の総合演出・崎久保華(永野芽郁)の姿が中心に描かれた。
進藤の破天荒ながらもカリスマ的なキャラクター、番組進行中の予期せぬハプニング、次々と明らかになる驚きの真実……と、初回から息もつかせぬスリリングなストーリーが展開。視聴者の期待を裏切らない面白さで、視聴の「質」の高さにもつながった。
近年のドラマで重視される「考察」要素があることも、本作品の注目度の高さに一役買っていそうだ。政治家が絡んだ大きな闇が背景にあること、進藤自身が何らかの事情を抱えていることをうかがわせるような描写もあり、それらが今後どのように明らかにされていくのかも見どころの一つといえるだろう。
また、世代を問わず大きな支持を集める阿部寛が主演を務めることや、永野芽郁、道枝駿佑といった実力派若手俳優陣との共演も大きな話題を呼んだ。SNSでは放送前から「阿部寛さん主演ドラマにハズレなし」「豪華なキャスティングに期待しかない」との声が多数上がっており、見事その期待に応えたといえそうだ。
報道の裏側という普段私たちが目にすることのない世界をリアルに描き、報道の正義や在り方を問う本作品。高い視聴率と視聴質を最終回まで維持できるか、今後の動向にも注目が集まる。