フジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語35周年SP ~伝説の名作 一夜限りの復活編~』が、31日(21:00~)に放送。35周年を記念し、ファンの中でも人気の高い過去作品の中から、ストーリーテラーが選んだ珠玉の名作5本が登場する。

放送を前に、タモリがコメントを寄せた。

  • タモリ

■タモリ

――35年間の放送を振り返って、特に印象に残っている作品を教えてください。

「色々ありますが、『ズンドコベロンチョ』ですかね。ほんとに他にも色々あります」

――ストーリーテラーを演じるうえで、意識されていることはありますでしょうか。

「(意識は)してないです。いつもセリフを覚えるだけで精一杯です。強いて言えば、無機質にやればいいのかなと思っているくらいですね」

――初期の頃は、各エピソードの中のワンシーンにテラーが登場したり、はたまた別の役としてカメオ的な出演もされていますが、特に印象に残っている撮影はありますでしょうか。

「いろいろな役をやりました。特殊な役ではないですが、普通のおじさんの役をしたときに、撮影現場の近くで待機していたら、そこで撮影を見ていていいんだと思った通行人の方々が集まってきて、“何やってるんですか?”って私に聞いてくるんですよ。“ドラマの撮影じゃないですか~”なんて答えたりしていたら、かなりの人がどんどん集まって来てしまって、見学者席みたいになってしまったことがありましたね。あれはよく覚えていますね(笑)」

――ちなみに、撮影でADさんに怒られたことがあると聞きましたが…

「あれは忘れもしないですね。“おでん屋さん”役のシーンで、現場(撮影)がかなり押して食事の時間も取れず、お腹が空いてしまって。目の前にいっぱい撮影用のおでんがあったので、『ひとつくらい食べても大丈夫だろう』と、一緒にいた鶴ちゃん(片岡鶴太郎さん)と食べてたら、『食べちゃだめじゃないですか! おでんの見た目(のカット)があるんですから!』って烈火のごとく怒ったADが飛んできて叱られて。ただ、私たちは“おや?”と。我々の見た目のおでん(のカット)なら分かるんですが、“おでんの見た目”って、おでんに目がついているわけないのに(笑)、それくらい彼は怒ってましたね。そしてその撮影が終わって、結局ほぼ何も食べられずにロケバスに戻ってドアを開けたら、そこで当時のプロデューサーがケンタッキーをバクバク食べてて。あれは腹立ったなぁ(笑)」

――これまでさまざまな監督が『奇妙』を演出してきましたが、一番記憶に残る監督はどなたでしょうか。

「それぞれが面白い監督でしたね。ただ、一番は星くん(星護監督)ですかね。ユニークな人で、演出をするときに自分で演じてみるんですが、これが本当に下手(笑)。下手っていうか変なんです(笑)。その通りやれって言われてもこっちはできないんですよ。当初は『この人どうなんだろう?』と思っていたのですが、でも何度かやっているうちにだんだん面白くなってきて、星くんの演技指導を見たくなって、わざと“星くん、これどうやるの?”なんて聞いたりしてました(笑)。ところが、出来上がったものを見ると、画は良いしよくまとまっているし、本当に腕が良くて…感心しましたね。去年久しぶりに彼に会ったのですが……やっぱり変でしたね(笑)」

――タモリさんがこれまでに遭遇した“奇妙”な出来事を教えてください。

「私の人生自体がぜんぶ“奇妙”です」

■水戸祐介氏(フジテレビ編成部)

「『世にも奇妙な物語』は、1990年に放送を開始し、おかげさまで、今年、番組は放送35周年を迎えることができました。ここまで長きにわたり、変わらず応援してくださった視聴者の皆様には、心より感謝申し上げます。今年は35周年イヤーと位置づけ、このたび、『世にも奇妙な物語 35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~』を放送いたします。改めてこの35年の歴史を振り返ってみると、この番組は、たった20分という限られた物語尺の中で、視聴者の皆様の脳裏に強烈な印象を刻み込み、その後の人生にも永く残り続ける、“極小にして極大”を描く”クール”なドラマ形式だったと実感します。さまざまなアイデアや工夫を凝らしながら、挑戦的かつ実験的な表現に果敢に挑んできたことが、この番組の歴史を積み上げてきたのだと思っています。その歴史を形作ってきた、すべての“奇妙な世界の住人たち”に、今一度、最大限の敬意を払いながら、今回の特別編では、これまで放送されたエピソードの中から、特に人気が高く、「もう一度観たい」という声を多数いただいてきた作品を、ストーリーテラーが厳選。選び抜かれた5本の名作を、特別にお届けいたします。なかには、今となってはテレビで観る機会がほとんどない、まさに幻の名作も含まれています。どの物語が登場するのかは、後日発表いたしますので、ぜひご期待ください」

【編集部MEMO】
タモリにストーリーテラーをオファーした石原隆氏(現・日本映画放送社長)は、マイナビニュースのインタビューに「当時若手の僕らがとても話をできる相手ではないですし、急きょ決まった番組なので時間もなく、難しいだろうと思っていました。失礼を承知で事務所の方にダメ元でお願いに行ったら、たまたまマネージャーさんが(前身番組)『奇妙な出来事』の大ファンでいらっしゃって、その流れで引き受けてくださったという、非常に幸運な決まり方をしたんですよ」と明かしている。

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