東急電鉄は、2025年度の設備投資計画について発表した。総額約482億円を投じ、車両の新造とリニューアル、鉄道施設・設備の維持更新、デジタル技術の活用による運営・サービスの高度化、新たな移動需要の創出など進めるとしている。

  • 東急大井町線の急行用として活躍する7両編成の6020系。今後、各駅停車用となる5両編成の6020系が順次導入される

車両については大井町線に5両編成の新型車両6020系を新造し、各駅停車用に運行してきた9000系・9020系(18編成90両)を順次置き換える。夏以降、6020系計8編成が営業運転を開始する予定だという。6020系は車両機器をつねに監視できる大容量情報管理装置を搭載しており、車両故障の未然防止を図ることで運行のさらなる安定化をめざす。空気清浄機の設置や背もたれの高いハイバックシートを採用し、快適な車内空間を追求。旧型車両と比べて騒音低減や使用電力削減なども実現し、環境性能を大幅に向上させるとのこと。

目黒線・東横線・田園都市線で運行している3000系、5050系(8両編成)、5000系の各車両は、導入から約20年経過していることを踏まえ、エクステリア・インテリアデザインを一新する大規模改修を行う。目黒線3000系は2025年秋頃、東横線5050系(8両編成)は2025年冬頃、田園都市線5000系は2026年春頃から順次、リニューアル車両が運行開始する計画となっている。

  • 東急目黒線の車両3000系。2025年秋頃にリニューアル車両が運行開始する予定

駅のリニューアルは田園都市線の桜新町駅、田奈駅、宮崎台駅で工事を進め、デザイン性と快適性の向上を図る。老朽化した土木構造物に関して、たまプラーザ~あざみ野間のトンネルや鶴見川橋梁の補修・改修工事を行い、インフラの健全性を高める。信号保安装置も更新し、目黒線のATC更新、田園都市線・大井町線へのCBTCシステム導入を推進する。

自然災害対策として、土砂災害防止のための法面補強をはじめ、浸水対策と耐震補強工事を進める。駅・踏切での事故防止に向けて、踏切障害物検知装置の3Dセンサー化100%達成をめざすとともに、目黒線各駅で非常停止ボタンの増設を進める。