ごま書房新社は、刑務所内での食事「獄食」(監獄食)を中心に刑務所内の日常を赤裸々に描いたルポルタージュ『獄食』を、2025年5月1日から発売開始した。

  • 獄食cover

■著者からのメッセージ

善良な社会の人が「知っているようで知らない」のが、刑務所の生活ではないでしょうか。塀の中の食事がどんなものなのか正確に知るには難しいことの最右翼かもしれません。知りたくもない方もいると思いますが、紹介させていただきます。

法律上では、一人一日520円という予算が規定されています。内訳は、主食97円、副食423円です。

これは全国一律で、地域によっての差はありません。刑務所での主食は米7麦3の麦飯(めし)です。これも全国一律ですが、副食の内容は各刑務所に任されています。

通常は「管理栄養士」という、刑務官と異なる職員が、献立・レシピを考え、実際に作るのは受刑者です。受刑者ですから、素人も同然というのが普通です。

かくいう私も30年選手で、服役年数の序列ではやっと「上の下」というところになりました。今回は、その30年の間の食事事情を柱に刑務所の処遇の変遷や、刑務所独特の文化、習俗にも触れています。

本書が、読者の皆さんの知的好奇心(?)を刺激し、新たな知識となれば書き手としては望外の喜びです。

それでは、禁断の迷宮(ラビリンス)の旅に出発しましょう! 富士乃夜桜