「大人になっても人見知りを直せなくて、恥ずかしい…」「人見知りをしてしまって、周りにめんどくさいと思われていそうで申し訳ない…」このように悩んでいる方は、多いのではないでしょうか。今回は、大人の人見知りの原因と克服方法を解説します。
大人の人見知りの特徴
まずは、大人の人見知りのよくある特徴を紹介します。
警戒心が強い、自己開示を渋る
大人の人見知りの特徴の一つとして、警戒心が非常に強く自己開示を渋ることがあげられます。初対面の人や新しい場所に対して不安や緊張を感じやすく、その結果自己開示を避けようとする傾向があります。
仕事上の話題は不自由なく話すことができたとしても、プライベートの話になると濁してしまうことも。その結果、深い関係の付き合いに進めず、ぎこちない関係性になってしまうのでしょう。
人によってキャラが大きく変わる
相手によってキャラクターが大きく変わるのも、人見知りによくあることです。あまり親しくない人とのコミュニケーションでは沈黙したり消極的な態度になったりするのに対し、打ち解けた間柄の人の前になると態度が一変。笑顔が増えて明るい雰囲気になります。
アイスブレイクができない
人見知りの人は、アイスブレイクが苦手です。初対面の人との挨拶ではアイスブレイクを求められますが、人見知りにとってはハードルが高くなかなかカジュアルに会話ができません。
きっかけとなる話題を探しながら会話を広げることが、大人のコミュニケーションには必要です。人見知りの人は相手の反応が気になりすぎて、なにを言っていいのかわからなくなり、黙ってしまうことも。このため、会話が続かず場がぎこちなくなってしまうのです。
目を合わせられない
目を合わせることに対して強い抵抗感を抱きやすいのも、大人の人見知りの特徴です。目を合わせることで相手に自分の感情をくみ取られるのを恐れたり、自分がどう見られているかに気を取られたりして、視線をそらしてしまいます。
グループの会話や活動に入れない
人見知りだと、グループでの会話や活動にうまく参加できないことも。グループで話が盛り上がっている最中に自分が加わることで、しらけてしてしまうのではないかと不安に駆られたり、自分に注目が集まることに後ろめたさを感じたりするのでしょう。
会話を広げられない
人見知りは、新しく出会った相手と話していると会話を続けることが難しくなり、話題が途切らせてしまうことがよくあります。自分が話す内容を考えるのに精一杯になり、相手の興味や反応に合わせて会話を広げる余裕がなくなることが原因でしょう。
会話を広げるには相手の言葉に興味をもち、共感を示したり質問を投げかけたりすることが大切ですが、緊張しているとこれができなくなってしまいます。
あいさつするときの距離感がわからず挙動不審に
あいさつはコミュニケーションの初歩といえますが、人見知りはこのあいさつでさえ苦手に感じている場合があります。どのくらいの距離感で声をかけるべきなのか、どんな言葉を発するべきなのか悩んでしまい、その結果挙動不審な態度に。
自分が話すことに集中して、相手の話を聞けない
人見知りは、自分が話すことに集中してしまい相手の話をうまく聞けない傾向があります。相手にどのように思われているかを気にしすぎて、自分がどうにかして話題を提供しようとした結果、相手の気持ちや反応に注意を払えず会話が一方通行になってしまうのでしょう。
沈黙が怖くて余計なことを話す
無言の時間が続くことに対して強い不安を感じ、「とにかく話を続ける」ということに意識が向きすぎた結果、内容にまで気が回らずつい余計なことを口走ってしまうことも。会話を無理に続けようとすると、逆に相手に不自然さを感じさせてしまうことがあります。 沈黙を恐れずに、少しの間をおいてから話題を提供することも重要です。
大人の人見知りになってしまう原因
大人の人見知りになってしまうのには、なにか理由があるのでしょうか。考えられる原因を紹介します。
過去の失敗やトラウマ
人見知りになってしまうのは、過去の失敗やトラウマが影響していることがあります。過去に人前で失敗したり恥ずかしい思いをしたりした経験があると、それがトラウマとなり新しい人との交流を避けてしまうことも。
こうした経験から自分がまた同じように傷つくことと人を傷つけてしまうことを恐れ、人との接触に対して強い警戒心を抱くようになります。
自分がどう思われているのか気にしすぎている
大人の人見知りの原因としてよく見られるのが、「自分がどう思われているのか気にしすぎる」ということ。自分の外見や言動、態度がどう見られているのかに神経を使いすぎるので、常に不安を抱えながら他人と接しています。
このような過度な自己意識が人との会話を難しくし緊張感を増幅させ、最終的に人見知りにつながるのでしょう。
自己防衛本能が強い
大人の人見知りには自己防衛本能が強く影響していることもあります。「辛い思いをしたくない」「ストレスを感じたくない」などの自己防衛本能があると、人との接触に対して警戒心を強くもつようになります。特に、初対面の人は自分に対してどのように接してくるのかわからないため、不安や恐怖を感じやすいです。
このように自己防衛本能が強く働くことで、無意識に距離を置いてしまい人見知りが発生するのです。
人と接する機会が少ない
日常生活のなかで会話をする機会が少ないと人見知りになりやすいです。他人とコミュニケーションを取る必要がない仕事に従事したり、休日は家にずっといたりするとその傾向はどんどん強くなります。
気づかないうちにコミュニケーションのスキルが低下してしまうので、どのように人と話せばいいのかわからなくなってしまいます。
ストレスを多く受けている
過度なストレスを受けていると人見知りになってしまうことがあります。仕事のプレッシャー、人間関係の悩みなどストレスの原因となるものが積もると、精神的に余裕がなくなり他人との関わりに対して不安や警戒心を抱くようになります。
自分を守ることに意識が向かうので、その悩みのタネになりうる他人との関わりを避けるようになり、人見知りが悪化していきます。
コミュニケーションの取り方がわからない
幼少期や学生時代に十分なコミュニケーション能力が養われていない場合、社会に出てから新しい人との関わり方に不安を感じることがあります。慣れていないこと、やり方がわからないことは急にできるようになりません。
コミュニケーションも同様で、相手にどう接すればよいのか、会話のきっかけや進行の仕方がわからないため、うまく言葉が出てこなかったり会話がぎこちなくなったりします。そうすると余計に人との関わりを避けるようになり、結果的に人見知りが強くなるのです。
大人の人見知りの直し方【準備・意識編】
「人見知りを直したいけどどうしたらいいかわからない」。そのような人のために人見知りを改善するための方法を紹介します。まずは「準備・意識編」です。
あいさつから始めてみる
人見知りを克服する第一歩は、簡単なあいさつから始めることです。初対面の相手に声をかけるのが怖いと思うかもしれませんが、あいさつは無理なくできる最初のコミュニケーションです。
最初は、軽く「こんにちは」や「お疲れ様です」と声をかけるだけでOK。少しずつ積み重ねることで相手との距離感を縮めることができ、次第に会話にもち込むことができます。慣れてきたら相手の目をしっかりと見ながら声をかけてみましょう。
あいさつをすると、相手からも自然に反応が返ってきます。その小さなやり取りが、次につながるきっかけになります。
開き直る・気にしすぎない
人見知りを直すには、ある種の開き直りがポイントになります。失敗を恐れていると引っ込み思案になったり、動けなくなったりしてしまいます。無理に完璧な自分をつくろうとするのではなく、自分の不安を受け入れて、それを少しずつ克服することが大切です。
最初からなにもかも完璧にできる人はいません。うまくいかないからといって周りの人があなたを責めることはありません。まずは自然体でやり取りを楽しみ、焦らず自分のペースでステップアップしましょう。
他人に興味をもつ
人見知りを克服するためには、他人に対して自然に興味をもつことが大切です。相手に興味をもつことで、会話が盛り上がりやすくなり緊張感も少なくなります。
「最近は休日、どのように過ごしているんですか?」「どんな音楽を聴いていますか? 」など、相手の話を引き出す質問をすることで、会話が広がります。最初は小さな質問から始めて、少しずつ会話を深めていきましょう。
会話ネタの準備
人見知りを克服するためには、会話が途切れないようにネタを事前に準備しておくのもおすすめです。特に初対面の人と話す際には話題に困らないようにするため、いくつかの会話のネタを頭に入れておくとよいでしょう。
たとえば、休日の過ごし方やおすすめの飲食店、趣味・スポーツなど、相手に質問しやすく、自分からも話しやすいテーマをいくつか準備しておきます。会話のなかで相手が興味をもちそうなテーマを見つけたら、それを深掘りして話すとより会話が盛り上がります。
大人の人見知りの直し方【会話中のテクニック編】
つづいて、人見知りの大人が実践したい会話中のテクニックを紹介します。
笑顔をこころがける
会話中にもっとも大切なのは、やはり笑顔です。笑顔は相手によい印象を与えるだけでなく、あなた自身もリラックスできる効果があります。人見知りの場合、話をつづけることにプレッシャーを感じるかもしれませんが、笑顔でいるだけで相手との距離も縮まります。
共通点を見つける
相手との共通点が見つかれば、会話はグッと進みやすくなります。自分が会話を進めていこうと意識するのではなく、相手が興味や関心をもっていることを質問すると考えてみましょう。
自分と共通する趣味や関心ごとが見つかれば、自然と話が盛り上がり会話が弾みます。
無理に話そうとしない
無理に自分から話そうとすると、余計に緊張してしまうことがあります。大人が人見知りを克服するためには、「無理に話さなくてもいい」と自分にいい聞かせることが大切です。自分が話さなくても、相手が話しやすいように聞き手に徹することで自然な会話が生まれます。
無理に話さなくても、相手の話をしっかり聞いている姿勢が大切です。話題が見つからなければ無理に引き出そうとせず、相手のペースに合わせてリラックスして会話を楽しみましょう。
簡単な質問をしてみる
会話中、言葉が途切れてしまったときに便利なのが「簡単な質問」です。難しい内容でなくても日常的な質問であれば、相手も答えやすく自然に会話が続きます。
相手の答えに対してさらに質問を重ねることで、会話を続けることができます。重要なのは相手の答えをよく聞き、興味をもって反応することです。そうすることでより深い会話が生まれます。
大人でも人見知りはする。自分のペースで向き合っていきましょう
人見知りに限らず、誰にでも得意不得意はあります。いきなり高望みせずに自分のペースでやれることから始めてみましょう。