長年、多くの人に愛されてきた「シルバニアファミリー」が今年40周年を迎える。最近では「シル活」としてSNSを中心に大人にも人気が高いシルバニア。その記念すべきアニバーサリーイヤーの全貌がこのほど発表された。
40年変わらないシルバニアの「哲学」と「顔」
「自然、家族、愛」をテーマに、遠い山を奥越えた誰も知らない場所にある動物たちの世界を表現したシルバニアファミリーは、現在、世界80の国と地域で楽しまれている。
40周年事業発表会に登壇した、エポック社の代表取締役社長・前田道裕氏によると、シルバニアの世界は「世界中で最も幸せな場所」なのだと言う。
40年前、前田氏の父である前田竹虎氏と開発チームが、植毛技術を玩具に適用できないかと考え、動物の毛並みを再現することで生まれたシルバニアファミリー。発売当初は9家族40人の動物たちと家や家具類でのスタートだったが、発売初年から大人気となり、その年はクリスマスを待たず売り切れ。翌年イギリスで発売されると、3年連続で同国のおもちゃ大賞でグランプリを受賞した。
そんなシルバニアファミリーが掲げる哲学が「徹底的な美の追求」だ。3歳以上を対象とした玩具だが、「大人の女性の審美眼に叶う商品」を追い求めてきた。前田社長は近年の大人のシルバニア人気の高まりについて、「発売当初から貫いてきたこの哲学に、時代がリンクしているのだと言えます」と話す。
また、主人公のショコラウサギの女の子・フレアは、配色は変化したものの、40年間同じ原型を使用しているのだとか。40年前に子ども時代を過ごした大人たちが、今も親近感を持つことができるのは、小さい頃から慣れ親しんだ“ウサギちゃん”がそこにあるからなのかもしれない。
史上最大規模展覧会のほかアニバーサリー商品も目白押し
次に、同社シルバニア本部ブランディング推進室マネージャーの前美里氏が登壇。40周年事業の展開について説明した。
シルバニアファミリーは、SNSフォロワー総数は約95万人以上、関連するハッシュタグの総ポストは約300万と、玩具ブランドトップクラス。最近ではシルバニアの人形を持ち歩いたり、衣装を自作したりする「シル活」など、キダルト(キッズ+アダルト)人気が高まっていることもあり、アニバーサリーイヤーでは、子どもから大人まで全方位向けの展開を予定している。
そのひとつが、シルバニア史上最大規模の「シルバニアファミリー展40th」の開催だ。4月25日~5月18日の期間で池袋・サンシャインシティでの開催を皮切りに、全国巡回を行う。同展では、シルバニア村を再現した巨大ジオラマや初代ハウスの展示、オリジナルグッズの販売やワークショップなどが見どころとなっている。
また、アニバーサリーアイテムも続々と発売される。
4月19日発売の「お城のゆめいろゆうえんち -ハピネスドリーム-」は、たくさんのギミックアトラクションやパステルカラーのお城、そしてユニコーンや魔法使い、ドラゴンなどのコスチュームを着た5人の人形が付属している。
また新たに「妖精シリーズ」を新展開。キダルト人気も高い幻想的な世界観の妖精シリーズから、「妖精さんのおとぎの塔」「妖精さんのきのこのお家」を6月に発売する。夏には森の中のお城を表現した大型商品の発売も予定しているとのことで、こちらも見逃せない。
さらに、キダルト向け商品として、アクセサリー「キュートアクセサリー フェアリーチャーム」が登場。トワイライトとミッドナイトの2種類で、身に着けるだけでなくシルバニアタウンの装飾が施された美しい台座に飾って楽しむこともできる。
そのほか、「ショコラウサギ アニバーサリーセット」など、今後もアニバーサリー記念商品が順次登場する。
また、1月のフェイラーとのコラボに引き続き、企業とのコラボも実施。小学館からシルバニアファミリー40周年記念ボックスが今冬発売されるほか、佐川ヒューモニーの電報サービス「VERY CARD」にて、5月2日からシルバニアファミリーのウェディング向け祝電の受付を開始する。
山本美月「洗濯機がドラム式に」
発表会の最後には俳優・モデルの山本美月がゲストとして登壇。ウサギのフレアと一緒に登場すると、お揃いのシルエットのワンピースを披露した。
シルバニアファミリーの思い出について聞かれると、「一番最初にそろえたのがウサギの家族だったんですけど、お家はおじが手作りして、母が布で壁紙を貼ってくれて、それで遊んでいました」とシルバニアとの出会いを話した山本。
現在のシルバニアの商品が紹介されると、「妖精が好きだったんですけど、妖精が小さく感じて、自分が大きくなったんだなと。動物の種類も増えているし、触り心地も変わっていますね。あと、洗濯機がドラム式になっているのに驚きました」と自身の小さい頃の思い出と合わせて懐かしんでいた。