一畑電車の新型車両8000系が3月11日から通常運用を開始する。これに先立ち、3月9日に松江しんじ湖温泉駅で出発式が開催された。同社のX(Twitter)にて、出発式の様子と新型車両8000系の概要を紹介している。
新型車両8000系(デハ8000系)は、8年前に同社が導入した7000系を基本モデルとした車体長さ20.8m・片側2扉のステンレス車(前頭部は鋼製)。7000系からの変更点として、客室内座席のボックスシートを廃止し、ロングシート仕様とする一方、一部座席にデュアルシート(向きを転換できる座席)を配置し、通勤通学と観光のどちらの要望にも適う仕様としている。今回の導入は1両(8001号車)のみだが、2025年度に1両、2026年度に2両の導入を予定している。
外観は7000系と同様の車体だがラッピングを廃止し、車体上下部にオレンジのラインを配置。冬季低温時の対策としてパンタグラフを2基設置したほか、前照灯はLEDとなっている。
ホームの確認を行うためにサイドミラーを設置していた従来車に対し、8000系は車両側面カメラを設置(同社初採用)。運転士が運転席の近くからホームの状況を確認できるようになり、さらなる安全性の向上に貢献する。運転台は7000系とほぼ同一だが、表示灯などに違いがある。7000系と連結した際、車両同士を行き来できる。
バリアフリー機能として、7000系において車両中央部に配置していた車いすスペースを一畑口側出入口扉横に配置することで、車いす利用者が乗降りしやすくなっている。新たに補助席を設置し、介助者も安心して利用できる車内とした。その他、車両中央部に5カ国語対応の次駅停車駅案内表示器を設置(同社初採用)。防犯カメラも設置している。