上位3作以外で注目したいのは、4位の『クジャクのダンス、誰が見た?』。浅見理都氏の同名漫画を原作にした本作は、謎が謎を呼ぶ本格的なサスペンス。惜しくもトップ3の座は逃したが、コア視聴層の注目度は2位、女性の注目度は3位と、視聴質の高さを見せつける結果となった。

印象的なタイトルは、インド哲学の一節で「クジャクが踊っているのを誰も見ていなければ、それは存在していないのと同じなのか?」という問いかけ。本作の中では、「たとえ誰も見ていなかったとしても、犯した罪から逃げることはできない」という意味を持っている。

クリスマスイブの夜、元警察官である山下春生(リリー・フランキー)が殺害され、容疑者が逮捕された。事件は終わったかに見えたが、春生の娘である山下心麦(広瀬すず)が、行きつけのラーメン屋店主から1通の封筒を受け取ったところから、事件は再び動き出す。

封筒の中に入っていたのは、なんと「逮捕された容疑者は冤罪である」という春生からの手紙と、容疑者のための弁護士費用。弁護士の松風義輝(松山ケンイチ)とともに真相を追う中で、22年前の、とある事件が浮かび上がってくる。

初回放送からハラハラドキドキの展開が続き、画面にくぎづけになった視聴者も多かったのではないだろうか。記者の神井孝を演じる磯村勇人、春生殺害の容疑者として逮捕された遠藤友哉を演じる成田凌ら若手俳優陣の演技も光っており、非常に見ごたえのある作品になっている。

もちろん、真犯人は誰なのか?という考察も、このドラマを見る醍醐味の一つ。終盤にかけて、さらなる注目度の上昇も期待できるだろう。

楽しく視聴できる要素が満載『相続探偵』

個人全体注目度は9位と振るわなかったものの、世帯視聴率で3位にランクインした『相続探偵』(日本テレビ)も見逃せない。

主人公は「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」をモットーに、遺言に隠された故人の遺志を尊重しながら事件を解決に導く、探偵の灰江七生(赤楚衛二)。「相続」というテーマだが、重苦しさを感じさせないコミカルな演出、「あんたの遺産は泣かせねえぜ」という決めゼリフなど、楽しく視聴できる要素が満載だ。

灰江は東大法学部出身の元弁護士でありながら、ワケあって弁護士会を追われている。そんな灰江の過去も今後明らかになっていくと予想され、ますます視聴者の興味をひきつける内容となっていきそうだ。

また、1話完結のストーリーであるため、初回を見逃しても途中から視聴を開始しやすいのも大きなポイント。ここから最終回にかけての巻き返しに期待したいところだ。