テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、2025年1月にスタートした冬ドラマ初回の注目度ランキングを作成し、人気の傾向を分析した。

  • 『フォレスト』に出演する比嘉愛未(左)と岩田剛典

    『フォレスト』に出演する比嘉愛未(左)と岩田剛典

男性注目度・女性注目度いずれも上位

個人全体で1位を獲得したのは、ABCテレビ・テレビ朝日系の『フォレスト』(69.5%)。2位にはNHKの『東京サラダボウル』(64.7%)がランクイン。両番組とも世帯視聴率(※REVISIO調べ)は振るわなかったものの、見た人をくぎづけにする視聴の質の高さで上位を獲得した。

上位2番組がいずれも個人全体注目度70%超えを記録した前クールと比較すると、やや低調だった感じは否めない。しかし、今回の上位3番組はいずれも男性注目度または女性注目度で上位を獲得しており、番組のターゲット層に「刺さる」内容だったといえるだろう。

  • 冬ドラマ初回注目度ランキング

SNSでは考察合戦も白熱

1位の『フォレスト』は、恋人同士である男女それぞれが抱える「嘘」と「真実」を描いたラブサスペンス。女性注目度・コア視聴層の注目度で1位、男性注目度でも3位を獲得し、年齢・性別問わず幅広い層の視聴者をくぎづけにした。

フラワーギフト会社で働く幾島楓(比嘉愛未)と、クリーニング店を営む一ノ瀬純(岩田剛典)は、同棲してまもなく1年を迎える恋人同士。平凡ながらも幸せな毎日を送る2人だが、実はお互いに「嘘」をついている。その嘘が明らかになるにつれ、2人の関係が少しずつ綻び始める――というストーリーだ。

第1話では、純に「家族はいない」と言っていた楓が、実はホテルグループを経営する幾島鈴子(松田美由紀)の一人娘であることが明らかになった。楓は幼い頃から鈴子に支配され続けており、3年前に家を飛び出して以来絶縁状態だったのだった。しかし鈴子の策略にはまり、実家に呼び出されてしまう。

次期社長になりなさいという鈴子からの命令を突っぱね、純との幸せな日常に戻ろうとする楓。しかしその傍らで、純も少しずつ不審な動きを見せ始める。

一見、優しく誠実で完璧な恋人であるように見える純が、実は楓に隠し事をしている――そんな不穏な雰囲気に、一気に引き込まれた視聴者が多かったのだろう。高い注目度からは、テレビの前の視聴者がハラハラさせられるストーリーに夢中になった様子がうかがえる。

第1話の鈴子のセリフに「嘘を一度でもつくと、他の誰のことも信用できなくなる。それが嘘をついたことの一番の不幸であり罰である」というものがあった。自分も嘘をついていただけに、愛する人を信じたくても信じられない。葛藤する楓の姿に、感情移入した女性視聴者が多かったのではないだろうか。

第2話以降もストーリーが展開するにつれ、2人がついている嘘がどんどん明らかになっていく。さらに、幾島家の周辺ではさまざまな事件が起こり、SNSでは考察合戦も白熱している。

物語は、そろそろ後半戦。これまでの謎が解き明かされていく展開となるだろう。うまく伏線を回収し、視聴者を納得させる結末を迎えられるのかどうか、今後の視聴質データの推移にも注目したいところだ。