女優の剛力彩芽が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、16日・23日の2週にわたって放送される『ボクと古着と下北沢~夢と現実のヴィンテージ~』。東京・下北沢で古着店を営む若者たちを追った作品だ。
激戦区で厳しい現実に直面しながらも、“古着愛”を胸にもがく若き経営者たち。その姿に、剛力は「めちゃめちゃ刺激を受けました!」と語る――。
通帳残高9万円「毎日が勝負」
下北沢は“ゴールドラッシュ”さながらで、この5年で古着店が倍増。今や200軒がひしめき合い、激しい生き残り競争が繰り広げられている。
「下北沢で古着店をやるのは子どもの頃からの夢だった」と語るのは、雑居ビルの3階で店を経営する北海道出身の宝さん(34)。誰よりも古着愛が強く、店にはこだわりのヴィンテージTシャツをそろえるが、通帳残高はわずか9万円だ。「経営はギリギリ。毎日が勝負」と、質素な暮らしを続けながら店を維持している。
そんな宝さんが経営するもう一つの小さな店を任されているのが、沖縄出身の登生(とうい)さん(27)。結婚して家庭を持つ彼は「大好きな古着で成功したい」と語るも、売り上げが伸びず月の収入は10万円ほどにとどまる。
宮城県出身の女子大学生・あいりさん(20)の夢は「経営者になり、金持ちになること」。古着店は、そのための資金を稼ぐ手段だと言い切る。
下北沢の若手経営者の中で今、最も勢いがあるのが埼玉県出身のヨウさん(23)。古着の世界で身を立てるため、大学を中退してこの世界に飛び込んだ。下北沢と高円寺に店を構え、高額な商品も次々と売っていく…。
「あんなにポジティブに生きられるなんて(笑)」
それぞれが個性を発揮して夢を追う姿が描かれ、「古着を売るという同じ業種で生きているはずなのに、売り方も生き方も全然違うんですよね」と印象を述べる剛力。一方で、「皆さんが自分の信じた道を貫いているのがカッコいいですよね。映像で見る部分だけでなく、大変な思いや苦しいこと、悔しいことがいっぱいあると思うのですが、すごくいい表情をしているんです」と共通点を捉えた。
さらに、「“とりあえずやってみよう”とか“ここを目指そう”と行動に移すことは怖いことだし、しかも下北沢というライバルが多い場所でそれをやる意気込みや熱量はすごいですよね。めちゃめちゃ刺激を受けました!」と感化された様子で、「最後は泣きそうになりました」とまで語る。
熱い古着愛を持って仕事に臨む姿には強く共感。「私もこの仕事が好きでやっているので、もうやるしかないし、やめられない。だから皆さんの気持ちが痛いほど分かりました」と受け止めた。
特に強いインパクトを感じたのが、宝さん。長髪にキャップを被り、たっぷり生やしたヒゲが印象的で、どんなピンチも笑い飛ばすキャラクターに、「あんなにポジティブに生きられるなんて(笑)。窮地に立たされたり、生活面でいろいろ我慢することがあったりしても、人や商品との出会いがあるからこそ、古着愛が止められないんですよね」と感心し、「ある意味で誰もが憧れる自由な生き方だと思うので、最高ですよね(笑)。いつか全国展開してほしいです」と願った。