2025年2月21日から公開される映画『ウルトラマンアークTHE MOVIE 超次元決戦!光と闇のアーク』の完成披露プレミア上映会が3日、東京・新宿ピカデリーにて行われた。辻本貴則監督と主人公・飛世ユウマ役の戸塚有輝ほか主要キャスト、そして本作で邪悪怪人レポ星人の声を演じる水野美紀が登場し、映画の見どころや撮影時の苦労話を語った。
映画の中で、特に思い出に残った出来事は?
『ウルトラマンアークTHE MOVIE 超次元決戦!光と闇のアーク』は、今年1月18日に最終回を迎えたテレビシリーズ『ウルトラマンアーク』の劇場版。想像力を解き放って、地球を襲う怪獣の猛威に立ち向かうウルトラマンアーク=飛世ユウマに、かつてない試練の時が訪れる。時空を超えて旅をしながら、正しき者に叡智を授けるといわれる謎の宇宙賢者ディグル星人サスカルは、ユウマにいかなる試練を課すのだろうか……。
今回、篠塚あゆみと共にMCを務めるのは、『ウルトラマンアーク』第6話「あけぼの荘へようこそ」でクロコ星人の人間態「ヌマタ」を演じたアキラ100%。アキラの呼び込みで、怪獣防災科学調査所「SKIP」星元市分所メンバーがステージに揃った。
映画の中で、特に思い出に残った出来事は? というMCの問いに対し、戸塚は「ディグル星人サスカルを演じた竹中直人さんとの共演」を挙げた。戸塚は続けて「SKIPのみんなと比べて、ウルトラマンアークに変身するユウマはフィクションの強度が高い。でもサスカルの竹中さんも変身して強くなりますから、僕と同じくらい強度が高いんです。そんな竹中さんとの共演が強く印象に残りました」と、ベテランの個性派俳優・竹中との共演に強い手ごたえがあったことを明かした。
金田は、シュウが大好きな「コーヒー」のことになるといつものクールさがどこかへ行ってしまう、コミカルなシーンがお気に入りだと語る。「テレビシリーズの終盤になると、ストーリーがシリアス方向に行くことが多かったものですから、映画にはコーヒー好きなあまりテンションがおかしくなるシュウの面白い描写があって、はっちゃけられたのが嬉しい」と、映画でのコミカルシーンを強くアピールした。
水谷は映画のお気に入りシーンとして「ムーゴンが犬っぽくてかわいい」と、劇中に登場する怪獣の愛らしさについて語った。さらに「辻本監督は犬が大好き。私も犬が好きで、実は映画の中に、実家で飼っている愛犬がチラリと映っているんです」と、愛犬のスクリーンデビューを誇らしそうに明かした。
西は「映画で『ウルトラマンアーク』の物語がすべて終わってしまうのは寂しい。ぜひ『帰ってきたウルトラマンアーク』を作ってほしい気持ちでいっぱいです」と、作品世界をつなげる続編の制作を願ってコメントした。映画で注目してほしいポイントについて、西は「ムーゴンの目の動きがリアルで、お気に入りの怪獣です。あんな目の動き方をする怪獣、今までいなかったんじゃないかな。辻本監督らしい特撮演出が楽しめます」と語り、ウルトラマンや怪獣に惜しみない愛をそそぐ辻本監督のアイデア、演出手腕をたたえた。
続いて、客席からの大きな拍手に迎えられ、辻本貴則監督がステージに現れた。辻本監督は「新鮮な気持ちで映画を観ていただきたいので、ストーリー面での『大事なこと』はみなさん、まだ言わないでください。21日の公開日まで、絶妙なところでご感想を書いていただければ」と、劇中でいくつも仕掛けられている「サプライズ」あるいは「意外な展開」を明かさないよう気をつけつつ、熱い応援をしてもらえるよう呼びかけた。
映画の「見どころ」のひとつ……「ウルトラマンアークが涙を流す」という、50年以上にわたるウルトラマンシリーズでも「初」となる演出について「あ、そこは明かすんですね」と、予告編で解禁された情報であることを確かめた上で「台本を進めていく中で、この流れだったらふつうは泣くよね、みたいに思ってシーンを作りました。別に特別なことだと思って泣かせたわけではありません。よくよく聞くと、ウルトラマンが『涙』を流したのは史上初めてだそうで、よく円谷プロさんが通してくれたなあと驚いています」と、神秘的な巨大ヒーローでありながら、人間を慈しむ優しさ、繊細な感情を備えるアークならではの、「七色の涙を流す」シーンに注目してほしいと目を輝かせつつ語った。
やがて「飛世ユウマ、君の大切なものを借りるよ」と映画でのセリフを再現しつつ、邪悪怪人レポ星人の声を演じた水野美紀がステージにかけつけた。
以前から「ウルトラマンシリーズ」に出演するチャンスをうかがっていたという水野は「宇宙人、しかも悪役。こういう枠がまだあったか! という気持ち。今回ウルトラマンに参加できて、嬉しかったです」と、悪役宇宙人の声という形で出演が叶ったことに喜びを示していた。辻本監督の演出については「あまり私の演技に興味がないのか、思いのほか短い時間で収録が終わった。そのうち、台本にないんですけど『ミミミミ』という鳴き声を放ち、これがどう使われるのかもわからないまま、あっという間に終わってしまった。でも前日からしっかり準備して、全力で臨んだんですよ」と、ふだんから仲の良い辻本監督との仕事を楽しみながらこなしたことを明かした。
その後、水野はふたたび「君の大切なものを借りるよ」と言い、ユウマがアークに変身するときのアイテム「アークアライザー」を用いて、ウルトラマンアークへの変身チャレンジを行った。
しかし、アークアライザーに「ギルアークキューブ」を装填したためか、客席には「黒いアーク」というべき禍々しき巨人・ギルアークが登場。
アキラ100%は「お盆」を股間の前で瞬間的にひっくり返す、個性的なポーズによってクロコ星人に変身。ギルアークに挑もうとするが、実力の差はあまりにも歴然だった。
ギルアークが巻き起こす不穏な空気を払拭するかのように、戸塚(ユウマ)はアークアライザーにアークキューブを装填して、ウルトラマンアークに変身。輝くボディを備えた光の巨人ウルトラマンアークと闇の巨人ギルアークは、一触即発のにらみ合いを続けたが……
辻本監督が両者の間に入ることにより、ステージはなんとか落ち着きを取り戻すことができた。
最後の挨拶で戸塚は、公開日より一足先に『アーク』の映画を楽しんだ大勢のファンにあたたかな笑顔を向けながら「ユウマとシュウの友情があったり、辻本監督入魂の特撮シーンがあったり……何度でも楽しめる映画ですし、一度観たらもう何回も観たくなると思います。ぜひ映画館へ足を運んでください!」と見どころを交えつつ、一度だけでなく二度、三度観てほしい映画だと強調した。
辻本監督も「テレビシリーズを観ていない方も、ずっと観てくださった方も、どちらも楽しめる作りになっています。ウルトラマンを題材に、和食、洋食、中華など、いろんな『味』が楽しめる作品です。いち早く映画をご覧になったみなさんは、もう『SKIP新宿ピカデリー分所』のメンバーだと思っていますので、SKIPの任務として映画面白かった~と宣伝してください!」と、劇場につめかけた大勢のファンにSNSで、内容の核心部分に触れない程度に宣伝、拡散してもらいたいと力強い表情で語った。
『ウルトラマンアークTHE MOVIE 超次元決戦!光と闇のアーク』は2025年2月21日より全国劇場にてロードショー公開。
(c)円谷プロ (C)ウルトラマンアーク特別編製作委員会