新型車両3200形は、2両単位でフレキシブルに編成車両数を変更できる車両となっている。これに関して、報道公開で挨拶した京成電鉄鉄道本部車両部長の角博信氏は、「近年、訪日外国人のお客様が多く日本を訪れる一方、リモートワークの普及や少子高齢化・人口減少もあり、輸送需要の変動リスクが当社でも課題となっています。流動的に変化する輸送需要に対応するため、『人や環境にやさしいフレキシブルな車両』をコンセプトに、編成車両数の組替えができる3200形に取り組んできました」「この車両は4両・6両・8両といった編成で、運用上必要な車両数に編成を組むことができます」と説明。なお、2両編成での運転予定はないという。
京成本線の通勤車両は現在、3000形、3700形、3600形、3500形、3400形が活躍中。自社の車両だけでなく、相互直通運転を行う都営浅草線や京急線の車両も運用に就いている。新たに3200形が加わることで、よりバラエティに富んだラインナップに。デビュー直後は限定的な運用になると予想されるが、この機会に京成本線の電車を見に行っても楽しいのではないかと思った。
新型車両3200形の諸元および性能
- 車両編成・車種(4両編成時) : 4号車 Mc1 / 3号車 M2 / 2号車 M1 / 1号車 Mc2 (成田空港→)
- 自重(4両編成時) : 34.9トン / 31.5トン / 33.9トン / 32.7トン
- 座席数(4両編成時) : 39席 / 49席 / 49席 / 39席
- 総定員(4両編成時) : 120人 / 133人 / 133人 / 120人
- 車体寸法 : 長さ18,000mm(連結面間)、幅2,845mm、高さ4,050mm(パンタ折りたたみ)・4,036.5mm(クーラーキセ)
- 主電動機 : 三相かご形誘導電動機 140kW 1,100V 96A 80Hz 2,375rpm(1時間)
- 駆動装置 : 平行軸可撓接手一段減速方式 歯車比 85/14=6.07
- 制御装置 : RG6056-A-M 回生ブレーキ付VVVFパルス幅変調インバータ制御
- 制御装置 : MBSA型、抑圧、保安ブレーキ、応荷重装置付全電気指令式電空併用ブレーキ装置(常用7段、非常1段)
- 集電装置 : 電磁鈎外し装置付ばね上昇空気降下式パンタグラフ
- 空気圧縮装置 : 電動機直結駆動スクロール回転式(オイルフリー)
- 補助電源装置 : 100kVA 静止型インバータ
- 戸閉装置 : 単シリンダ複動歯付ベルト方式(戸閉力弱め制御付き)
- 冷房装置 : 屋根上集中式ユニットクーラー(40,000kca/h)、電気ヒーター(6kW)
- 暖房装置 : 座席…下吊り下げ式 車いすスペース/フリースペース…壁掛け式
- 二次電源装置 : 焼結式アルカリ蓄電池 DC100V60Ah
- モニタ装置 : 運転席にディスプレーを設け、各機器の動作状態と故障情報を表示。停車駅予報機能、行先・種別設定及び運行番号設定機能付き
- 車内案内表示装置 : 17インチ 2画面一体式LCD
- 行先表示装置 : フルカラーLED
- 放送装置 : 案内放送、車外放送及び乗務員間連絡用、自動音量調節式、自動放送付き
- 列車無線装置 : 空間波無線方式
- ATS装置 : C-ATS装置
- 非常通話装置 : 押し釦スイッチ式通話回路内蔵
- 電車性能(加速度) : 200%定員まで3.5km/h/s(積載条件…55kg/人)
- 電車性能(減速度) : 200%定員まで初速70km/h 常用4.0km/h/s 非常4.5km/h/s
- 電車性能(運転最高速度) : 120km/h
(報道公開で配布されたパンフレット等をもとに作成)