スペシャルドラマの料理監修を務めたのは、前作に引き続き、三つ星を守り続けている東京・品川のフレンチレストラン「カンテサンス」の岸田周三シェフ。映画は、2020年にアジア人初となるフランスの三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが料理監修を務めた。
小林シェフは金髪が特徴的だが、木村も連ドラ時の黒髪ではなく金髪にイメチェンして尾花を演じた。
「あの時のまんまだねという形容ではないだろうなと。いつもお世話になっているヘアサロンの方に『(髪を)どうしようかなと思っている』と言ったら、『思い切っていっちゃいましょうか』と言われて。パリに行ってすごく思うのは、『私はこれが好きなの』『私はこれを羽織っているのが一番心地いいの』という方ばかりで、その中にいる尾花夏樹が取った選択としてはなしではないと思いました」
小林シェフも金髪だと知ったのは、木村が髪色を変えてから。「『うわ~かぶった』と。本人と会った時も照れましたし、お互い頭を一瞬見ました」と笑った。
連ドラに加え、5年ぶりにスペシャルドラマと映画で尾花を演じた木村は、「尾花を通じて、料理というエンターテイメントのいろんな瞬間に立ち会え、いろんな思いもさせてもらいました」としみじみ。10月に行われた「ミシュランガイド東京2025」発表セレモニーでは、共演の玉森とともに登壇し、三つ星掲載店を読み上げる大役を務めた。
「三つ星に選ばれた方たちの屋号を発表させてもらったんですけど、料理や食事に対して興味や熱がそこまで高くない方たちからすると、究極のひとごとなのかもしれませんが、ミシュランとか三つ星という価値、選ばれることの名誉や責任、プレッシャーがある。今回も三つ星を取られたカンテサンスの岸田シェフが監修してくださって、実際に彼がお店で出しているメニューも使わせていただいて、すごく一部分の世界かもしれないですけど、尾花夏樹をやらせてもらうことによってその一部分を味わうことができて楽しかったです」
木村自身も、尾花を演じる前は「ミシュランってタイヤですよねという方が解釈としては強かった」と言うも、「この作品でいろいろ時間を過ごさせてもらうと、ミシュランの響きも違う響きになってくるし、そこに対してものすごい熱量やモチベーションで向き合っている方たちの存在を知ることができ、食べる前の『いただきます』が変わったかもしれない。添え物の野菜から何にしても全ての命をいただいていると思うようになりました」と変化を告白。「個人的にも1つの作品としても、非常に面白く価値があり、共演者もスタッフもすごく宝物になったなと思います」と本作への思いを語った。
1972年11月13日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作は、ドラマ『教場』シリーズ(20、21、23)、『未来への10カウント』(22)、『Believe-君にかける橋-』(24)、映画『レジェンド&バタフライ』(23)など。歌手としては、今年8月に3rdアルバム『SEE YOU THERE』をリリース。9月29日より約2年半ぶりとなるライブツアー「TAKUYA KIMURA Live Tour 2024 SEE YOU THERE」を開催し、12月25日に最終日を迎えた。