テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、1日に放送されたNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合 毎週日曜20:00~ほか)の第46話「刀伊の入寇」の視聴者分析をまとめた。
まひろを助けようと手を差し出した瞬間…
最も注目されたのは20時40~43分で、注目度84.6%。周明(松下洸平)の胸に蛮族の放った矢が突き刺さるシーンだ。
「間もなく港だ」周明はかつての友人・さわ(野村真純)が暮らした土地である松浦に行きたいというまひろ(吉高由里子)を、この船越の津まで案内した。まひろの傍らには乙丸(矢部太郎)の姿もある。
「松浦に行って思いを果たしたら、必ず大宰府に戻ってきてくれ。そのときに話したいことがある」周明は歩みを止め、真剣なまなざしをまひろに向けるとまひろはうなずいた。3人が再び歩を進めると、突然茂みの向こうから悲鳴とともに村人たちがかけ寄ってくる。どうやら何者かに追われているようだ。逃げ惑う村人の1人が、3人の姿を見て、「逃げて!」と叫ぶ。「まひろ!」危険を察知した周明がまひろの手を取った。その瞬間、逃げる男の背に矢が射かけられ男は倒れた。混乱する3人はたちまちにして、大きな得物を持った賊の一団に取り囲まれた。「まひろ!」周明が再度、まひろの手を引くが、賊の1人がまひろを捕まえようと手を伸ばす。その身を盾としてまひろをかばう周明に、賊の凶刃が振り降ろされようとした瞬間、一本の矢が賊を射抜いた。間一髪のところで、武士団が間に合ったようだ。
「逃げろ!」武士団の先頭には双寿丸(伊藤健太郎)がいた。「まひろ!」賊がひるんだ隙に周明はまひろを連れて駆け出した。武士団と賊との激しい戦闘が始まる。3人は懸命に逃げるが、「あっ」と、まひろの足をもつれさせ倒れてしまった。周明はまひろを助けようと手を差し出す。その瞬間のことだった。周明の左胸に矢が突き刺さった。「う…」周明はうめき声をあげその場に倒れる。まひろはその光景にぼう然とするばかりだった。
「再会に喜んだのにショック過ぎる」
注目された理由は、あまりにも早過ぎる周明の退場(しかも2度目?)に、視聴者が「くぎづけ」になったと考えられる。
今回は『光る君へ』では初めての合戦シーンが描かれた。多くの村人とともにまひろたちが巻き込まれていく様子に、多くの視聴者がハラハラしたのではないだろうか。そして、『光る君へ』における「刀伊の入寇」の犠牲者は、なんと前回のラストシーンで復活を果たしたばかりの周明だった。周明は、「大宰府に戻ってきてくれ。そのときに話したいことがある」と、死亡フラグを立ててしまった末に蛮族の矢に倒れてしまう。この衝撃のラストシーンは84.6%と非常に高い注目度を集めた。
X(Twitter)では、「周明、言いたいことがあるなら今言うんだよぉぉぉ!」「周明はまひろと一緒に宋に渡ると思ったんだ…」「まひろの相談にのった周明がいいひとすぎてファンになった矢先だったのに…」「まひろと周明の再会に喜んだのにショック過ぎる」といった悲鳴にも似た投稿が多く集まった。まひろと周明に再び恋の気配を感じた矢先の出来事だった。
視聴者の中では、今回の犠牲者は乙丸説が最も有力だった。実際に、きぬ(蔵下穂波)のために紅を買い求めるなど、死亡フラグっぽい描写で誘導しておいて、まさかの周明が退場の危機にさらされるという展開にまんまとしてやられた視聴者は後を絶たないのではないだろうか。直秀(毎熊克哉)に続き、周明という2人目の男性オリジナルキャラクターは死によって退場となるのだろうか。
また、同じく男性オリジナルキャラクターである双寿丸も今回の犠牲者として候補に挙がっていた。今回は大活躍の双寿丸でしたが、「刀伊の入寇」はまだ終わっていない。ここにきて怒涛の展開を見せる『光る君へ』なので油断は禁物だ。2度あることは3度ある。男性オリジナルキャラクターが全滅となる鬼脚本でないことを祈る。