日本テレビ系スポーツバラエティ特番『加藤浩次&中居正広の歴代日本代表286人が選ぶ この日本代表がスゴい! ベスト20』が、12月4日(19:00~)に放送。やり投日本代表・北口榛花選手が、「スゴい日本代表」について語った。
同番組は総勢286人の歴代日本代表が、トップアスリートゆえの視点で、すごいと唸ったNo1日本代表をランキング形式で紹介。北口選手は「北京オリンピックの競泳・北島康介選手の2連覇です」「インタビューでの『何も言えねぇ』の言葉、本当に忘れられません。 小学生でしたが、すごくカッコイイなって見ていました」などと語っている。
その北口選手のインタビュー全文は、以下の通り。
――北口選手がスゴいと思う日本代表はどなたでしょう?
やはり北京オリンピックで2連覇した北島康介選手です。私、実は小さいころ水泳をやっていて、プールの練習が終わった後にテレビで北京オリンピックを見ていた気がします。何と言っても、金メダルを取った後の「何も言えねぇ」の言葉。北島選手はたぶん思ったことを言っただけだと思うのですけど、子供ながらにこんないい言葉というか、すごくカッコいいなって思って見ていました。本当に今でも忘れられない瞬間です。
――インタビューであの言葉が出るっていうのは、スゴいことですか?
そうですね。やっぱりインタビューはちゃんとしゃべろうと思ってしまって、もし何も言えなくても「何も言えねぇ」とは出てこないなって私は思っちゃいますね。
――インタビュー受ける時は、ちょっと考えておくのですか? 事前にこんなこと言おうかなみたいな。
私はできるだけ思ったこと、その時に思っていることを言おうとしているのですけど、北島選手の言葉は、国民の皆さんの心に残る言葉になっている。「何も言えねぇ」のフレーズが16年たった今でも残っていますから、そういうのが素晴らしいなって思います。
――北島選手のすごさみたいなところは、どういったところなのですかね。
え~、ひとこと…。スゴすぎて。天才ですよね、やっぱり。ロンドンオリンピックで金メダルを取って、4年経った北京オリンピックでも世界一でいるっていうことがまず難しいと思いますし、4年に1日しかないその日に最高のパフォーマンスを持ってくるのが本当にすごいなって思います。スポーツをやっていると、特別な日がこれからあるとわかっていても、その1日にパフォーマンスを持ってくることってすごく大変なので、スゴいなって思います。
――北口選手にとって世界で勝つために重要なこと意識されていることは何ですか。
陸上競技のやり投なので、どうしても陸上競技場での練習ばかりやっていると思われることが多いのですけど、私の練習は結構陸上競技外でやる練習も多くて。山登ったりとか、ローラースケートしたりとか、階段を登ったりとか、本当にこれ練習でいいのかなっていう体操とかもしたりと、いろんなスポーツとか、いろんな遊びみたいなものをトレーニングとして取り入れています。
もともと足腰が弱かったので、山登りは足腰もしっかり鍛えられるので、本当にベース、基礎のキから始めないと、いきなりジャンプアップして特別なことをやろうとしてもできないので、本当に基礎のキ、歩くこと、山道を歩くことから始めました。そういった基礎づくりが大事なのかなって思っています。
――具体的にどういった山を登られるのですか?
でもそう言いながら、実は、高いところが苦手であんまり高い山は登れないです。高尾山とか筑波山とか、関東周辺の山を登っています。ヨーロッパでチェコにいる間も登ったことあるのですけど、普通に頂上に雪が降っているところを登って、高いところが怖いので本当に腰が抜けて大変でした。コーチの手をずっと握りしめてないと降りられない状況になりまして…。(笑)
――10年前、水泳とかバドミントンをやられていて、やり投に転身して、体作りって全く違うと思うのですけど、難しさみたいなところはありますか?
私の場合はあんまり感じてなくて、今のやり投に水泳とバドミントンが生かされていると思っています。今でも泳ぎますし、今でもバドミントンもするので、その両方の良さをやり投げに生かしたいと思っています。今は難しさでいうと柔軟性を維持しながら鍛えるっていうのが、難しいなって感じているポイントの一つです。やり投は肩周りだけというふうに思われる方が多いんですけど、全身の筋力の連動が必要で、体がムチのようにしなって振ったら先端が一番速く走るので。その原理を利用して、腕が速く振れてやりが飛んでいくっていう感じですかね。
――このトレーニングがつらいっていうのはあったりしますか?
結構なんでもつらいですけど、一番つらいのは階段とか、階段を走ったりジャンプして登ったりするのは、もともと階段が苦手なのでつらいなって思います。あと走るのも、やり投の助走はだいたい30mくらいしか走らないのに、トレーニングでは300mとか普通に走ったりするので、そういうのもつらいなって思います。
――逆に良かったこと、日本からチェコに渡ってここが良かったというところは?
山登りとかローラースケートをトレーニングに取り入れるっていうのはチェコに行ってから始めたことなので、そういった基本をシニアになってもずっと続けてるということを知ったことが一番大きいと思っています。あとは、ヨーロッパでたくさん試合することで、友達ができるのですよ。なので、実際に大きい試合に行ってもあんまり緊張せずに、普段の気持ちで試合ができるのも大きいかなって思います。
――ローラースケートをやるのはなぜですか?バランス感覚ですか?
バランス感覚ももちろんそうなのですけど、足腰ずっとかがみながらスケートするのって、内転筋とかおしり周りとかが結構きつくて。でも、本当は遊びじゃないですか。なので、少しリフレッシュも兼ねつつ、でもトレーニングにもなってという感じです。あとは手と足がしっかりバランスを取るために使えてないと進まないので、そういった部分もあると思います。
――試合に臨む上で、オリンピックもそうですし、世界選手権もそうですけど、何かトレーニングの中での挫折とか、これ苦しかったなっていうのはあったりしますか?
やっぱり自分の武器が柔軟性なので、体が硬く感じてしまうと投げられなくなって しまいます。トレーニングをやり過ぎちゃうと体がやっぱり筋肉を作る。そうすると硬くなっちゃって投げづらいなって思うことが増えてしまって。練習しないわけにはいかないけど、でも練習しすぎると硬くなっちゃうっていうのが難しいです。
――最後に食事の面で気をつけていることはありますか?
私は水泳やっている時もひたすら痩せるように言われ続けていたので、体重があんまり増えないように気をつけています。私は比較的何でも食べられてしまうので、試合が近づくとストレスなのかなんなのかわからないですけど、甘いものがすごく食べたくなったり、何か無性に脂っこいものが食べたくなったりとかしちゃいます。そういう部分でコントロールする必要があります。
――食べられないストレスはどうやって抑えているんですか?
でも完全に制限とかはされていないですし、階級とかそういう種目があるわけでもないので、まあ1日1個ぐらいだったらいいよとか、そういうのでなんとかなってます(笑)
――その中でこれとっておきのご褒美みたいなモノあったりしますか?
もうずっと食べちゃっているのですよね、アイス。どうしてもシーズンが夏にあるので、暑くて、暑くて。二部練習しているのですけど、午前中の練習が終わったらアイス食べに行っちゃうとか普通にあります。(笑)
――怒られたりしないですか?
そうですね。毎日にならないように1週間に1回はアイス食べるの休むとかしてなんとかやっています。
【編集部MEMO】
同じ番組に出演する石川祐希選手は、すごかった選手に柔道の角田夏実選手を挙げ、「オリンピック初出場でしたよね。初出場でいきなり金メダルだったので、本当に言葉が出てこないですけど、すごいというか、さすがだなという風に感じましたね」と話している。
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