9月10日に発売された「Google Pixel Watch 3」は、ハード面での使い勝手が向上するとともに新たな機能も加えられたスマートウォッチです。45mmモデルを使用した筆者が、ビジネスパーソンにとって便利だと思う機能3点を厳選してご紹介します。
視認性や携行性が上がり使いやすくなった「Google Pixel Watch 3」
9月10日、Googleのスマートウォッチ「Google Pixel Watch 3」(以下、Pixel Watch 3)が発売されました。第3世代となった「Pixel Watch 3」はさまざまな機能がブラッシュアップされ、ビジネスパーソンの毎日を助けてくれる1本になっています。
基本的な部分に目を向けると、「Pixel Watch 3」は視認性や携行性が大きく向上。従来の41mmモデルに加え45mmモデルが追加され、有機ELの「Actua ディスプレイ」は最大輝度が2,000nitにアップしました。
バッテリーは41mmモデルが307mAh、45mmモデルが420mAhで、常に表示状態のディスプレイで最長24時間、バッテリー セーバーモードで最長36時間使用可能です。USB-Cによる急速充電にも対応しており、41mmモデルは約24分で50%、約60分で100%、45mmモデルは約28分で50%、約80分で100%を謳っています。
それに、やはりラウンド形状は“腕時計感”があってビジネスシーンに馴染みやすいですよね。ウォッチフェイスをアナログ風に変えると、とくに実感します。
では、ビジネスパーソンの日常の中では、どのような利用シーンがあるのでしょうか? 45mmモデルを実際に使った筆者が、二回に分けて「ビジネスパーソンなら便利だろうな」と感じた「Pixel Watch 3」の使い方3点をご紹介してきます。
選択肢が増えた非接触型決済
ひとつ目は非接触型決済です。昨今は電子決済に対応したお店が増え、お財布を取り出すことなく一日を過ごせることも多くなりました。「Pixel Watch 3」は非接触型決済の選択肢が増加しており、従来から対応していた交通系ICカード「SUICA」、電子マネー「QUICPay」「iD」に加え、新たにクレジットカードの「VISA タッチ決済」「MasterCard タッチ決済」に対応しています。
利用シーンを想像してみましょう。例えば、電車に乗るとき、バスに乗るときはスマホを取り出さずに改札を通過できます。多くの方は腕時計を左腕に付けているので、右側になる鉄道の改札は若干のタッチしにくさを感じますが、前乗りのバスでは逆に都合が良かったりもします。またスマホでも同様ですが、ICカードと異なり上限金額がないのも長距離移動が多い方は助かるでしょう。
意外に良いなと感じたのはタクシーでの決済。椅子に座った状態ではお財布のみならずスマホも取り出しにくいので、「Pixel Watch 3」の非接触型決済が活躍します。とくに「VISA タッチ決済」「MasterCard タッチ決済」が対応しているタクシーは助かります。
財布もICカードもスマホも出したくない場面と言えば、自動販売機でも「Pixel Watch 3」は便利。水分を補給できるタイミングで、手ぶらのまま(=両手になにも持たずに)購入できるのは快適です。
この“手ぶらで決済できる”というのは日常の買い物でも有効です。例えばコンビニで買い物をする場合、片手に荷物を持っていてもすぐに支払いができますし、買い物袋もそのまま同じ手で持つことができます。
また決済以外にも「Google ウォレット」に表示できるものは「Pixel Watch 3」でも一通り表示できるので、ポイントカードはもちろん、イベントチケットのコードや電子航空券なども表示可能。出張などでバタバタと移動を繰り返しているときは、スマホすら取り出さずにスマートウォッチで決済などが完了するのは非常にスマートです。ビジネスパーソンは一度使ったら便利さを実感するのではないでしょうか。
残念だったのは、コード決済に対応していないこと。スマートウォッチの使い方を考えると非接触型決済ほど便利には扱えないと思いますが、「Apple Watch」ではすでに利用可能です。仕組み的にはすでに可能と思われるので、アップデートなどで対応してくれたら嬉しいですよね。
見やすくなったマップと文字が起こせるレコーダー
ふたつ目は「マップ」です。輝度が向上し、45mmモデルは画面が物理的に広くなったぶん、地図が非常に見やすくなっています。ちなみに41mmモデルでも「Pixel Watch 2」よりベゼルがスリムに成、そのぶん画面が広くなっているそう。
また、これは「Pixel Watch 3」というよりGoogleの機能アップデートプログラム「Feature Drops」で実現したものですが、目的地を検索した後、標準で地図画面を表示できるようになりました。以前の標準はナビで、地図画面にするワンアクションが必要だったのです。
ビジネスパーソンはどうしても移動の機会が多くなるもの。腕時計でサッと行先が調べられたり、最寄りの公共交通機関の時間がわかるのはやはり強みです。
三つ目は「レコーダー」。「Pixel Watch 3」は「Google Pixel」端末と連携し、録音した音声データを文字起こしできるため、打ち合わせやボイスメモなど幅広いシチュエーションで活躍します。スマートフォンで操作する一手間がありますが、外出先で録音データを聞くタイミングはなかなか取れないため、テキスト化までしてくれるのは助かります。ただし、この機能は「Google Pixel」以外の端末では利用できないのが残念なところです。
ちなみにこの機能、もしかしたら9月26日に発売したワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro 2」と連携できるのでは……と思ったのですが、残念ながら音声が聞けるのみです。録音などに「Google Pixel Buds Pro 2」のアクティブ ノイズ キャンセリングに対応したマイクを利用できたりしたらより便利になりそうですよね。
実用的になったPixel Watch 3
ここまで「Pixel Watch 3」で、とくにビジネスパーソンが便利に使えると思った機能3点をご紹介しました。Pixel Watchも3世代目になり、実用に十分なデバイスとして使えるようになってきたと感じます。
もちろんこの他にも従来からあるビジネスシーンで助かる機能、例えばカレンダーやToDo、メール、メッセンジャーアプリなど通知・確認、アラームやタイマー、暗い場所でとっさに使えるライト、「Google Pixel」のカメラを「Pixel Watch」に映して写真を撮るなども備えています。忙しい毎日をスマートウォッチにサポートしてもらえば、ビジネスの効率も上がるかもしれません。