• 小芝風花

小芝が連続ドラマで初めて主演を務めたのは、2019年のドラマ10『トクサツガガガ』(NHK)。特撮をこよなく愛する隠れオタクのOL・仲村の奮闘を見事に体現し、コミカルな演技も注目を集めた。小芝にとって『トクサツガガガ』は、「とても胸に刺さる作品だった」という。「『トクサツガガガ』で演じたのは、好きなものを『好き』と言えずに、自分の中に閉じ込めているような役でした。そして仲間を見つけることによって、『好きなものを好きでいて、何が悪いんだ』と成長していく」と回想。

続けて「昔の私は、周りの目を気にしてしまうところがありました。『こんなことを言ったら幻滅されちゃうかな』と心配して、嫌だと思うことがあったとしても、笑ってごまかしたりしてしまうこともあって。でも仲村のように成長していく役を通して、少しずつ『人生一回きりだ。自分のやりたいことをやらなければ、もったいない』と勇気をもらうことができました」と明かし、「10代の頃の私は、ガチガチに凝り固まっていた気がするんです。振り返ってみると、もっと楽な気持ちで考えればよかったのかなと思うこともあって。もともとの性格が変に生真面目というか、融通が利かないタイプなんですね」と苦笑い。「今は10年後の私が後悔しないように、少しずつ自分にとって息がしやすい考え方、柔軟な考え方をするように心がけています」と語る。

今、30代に向けてどのような展望を抱いているだろうか。すると小芝は「大河ドラマ(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』)で演じる花魁役が、大きな課題になっていて」と打ち明け、「私は顔立ちが幼いので、どうしても年齢より若く見られることが多くて…。元気いっぱい! というイメージの方が強くあると思うので、大人びた役や色気のある役というのは、大きな課題を感じています。年齢的にはちょうどいいはずの役なんですが、そこに向かうのが怖くもあり、大きな壁だなと思っています。30代に向けて、年齢に合った重みを出せるようになっていきたい」と吐露。

「私は欲張りなタイプで、『これが好評だったから、またこういう役をやろう』と思うのではなく、いろいろな役をやりたいなと感じていて。何かをやり遂げると、『次はもっとこうしたい』という欲が出てくる。満足してしまうと成長もできないのかなと思うので、そういった欲に素直でいたいなと思っています」と真摯に未来を見つめていた。

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■小芝風花
1997年4月16日生まれ。大阪府出身。2011年「ガールズオーディション2011」でグランプリを獲得。2012年にドラマ『息もできない夏』(フジテレビ系)で女優デビューを果たした。初主演映画『魔女の宅急便』(14)での演技が評価され、第57回ブルーリボン賞・新人賞を受賞。2024年は、『大奥』(フジテレビ系)、『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)、映画『レディ加賀』で主演を務める。2025年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)では、主人公の“蔦重”こと蔦屋重三郎の幼なじみで、“伝説”の遊女・花の井(五代目瀬川)役を演じる。