2003年から昨年まで21年連続で旧ジャニーズ事務所のメンバーが務めてきたメインパーソナリティーを置かない決断をしたことは大きなニュースとなり、今年の改革姿勢を強く打ち出す体制となった。

ただ、彼らのファンたちが応援の気持ちも込めて募金するという行動は、コロナ前は毎年メイン会場前に長蛇の列ができていたことからも分かるように、間違いなく募金総額を大きく支えていた。アイドルのメインパーソナリティーを置かないことは、この支えを失うことにもつながると考えられるが、そこへの不安は「本当に、正直ありません」と断言する。

「もちろん、募金総額が大きくなれば、その分いろんなところに運用できると思いますが、募金総額も視聴率も、“過去との比較論”にとらわれ続けると、本来変えなくてはいけなかったことが変えられなくなってしまうので、今年変わったことによって出た数字が一つの結果だと思っています。長年にわたって旧ジャニーズ事務所の方たちに『24時間テレビ』のメインパーソナリティーとして支えていただいたのは紛れもない事実です。でも、その仕組みを踏襲しないとチャリティー番組が作れないかと言ったら、そうではないので、今年の形は今年の形で、新しいものが生まれるのではないかとも考えています」

逆風での出演者は「本気の熱量と覚悟を持った人たち」

新たに総合司会を引き受けた上田晋也をはじめ、今年の出演者たちは “逆風”の中で参加を表明してくれただけに、「本当にありがたいです」と感謝。吉無田氏が総合Pを務めた4年前に「募金ラン」企画に参加した土屋太鳳は「この(制作)チームと一緒だったら」と賛同し、朝ドラ『まれ』(15年)に主演して以来、親交を重ねる能登で、輪島高校和太鼓部とパフォーマンスする。

  • 練習する土屋太鳳と輪島高校和太鼓部 (C)日テレ

一方、初参加となる長嶋一茂は、これまでチャリティーとは無縁の人生を送ってきたそうだが、『NEWS ZERO』(現・『news zero』)を担当していた時から付き合いのある吉無田氏のオファーに「『24時間テレビ』もいろいろ言われてるけど、来年還暦になるのを前に僕もちょうどチャリティーをやりたいと思ったタイミングだったから」と応えた。一茂は、どんな企画をするのかを決めず、まずは能登に何日間も通って自分のできることを探し、結果として石川県珠洲市の宝立小中学校野球部に、レジェンドOBも呼んで野球教室を開くことになった。

今年の企画参加者とは、例年に増して密に会話して取り組んでもらっているのだそう。「よりシビアな目で世の中が見ている『24時間テレビ』に、画面を通して本気で取り組んでいることが見えないと乗り越えられないと思うんです。皆さんがそれを感じながら参加していただいているのを、すごく感じます」と印象を語る。

7月17日の記者会見では、「『24時間テレビ』の趣旨に賛同する24人で24時間をつなぐ」と発表していた。この時点では、まだ24人が決まっていなかったが、その後どんどん賛同する人が増え、最終的には40人規模になるという。「この逆風の中に入ってきてくださる皆さんは、本気の熱量と覚悟を持った人たちだと思います」と話し、今年の放送において大きな力になると感じているようだ。