• やす子 (C)日テレ

今年の改革を最も象徴する企画が、募金の使い道を明確化させる“目的別募金”となった恒例の「チャリティーマラソン」だ。様々な事情で保護者と暮らすことができなくなってしまった子どもたちを支援する児童養護施設に高校時代、お世話になっていた時期があるというやす子の発案で、『24時間テレビ』全体の一般募金と切り分け、その全額が全国600カ所以上の児童養護施設のために役立てられるようにした。

『24時間テレビ』の一般募金は、「福祉」「環境」「災害復興」の3本柱で行われており、従来も「福祉」として行われてきた児童福祉施設への支援を、やす子のマラソン企画で呼びかける時だけは、視聴者に分かりやすく目的別を明示し、QRコードで募金先を直結させるシステムを、今年は特別に構築したのだ。

「1978年に始まって募金箱を会場に持ってくるという時代から、コロナもあってインターネットで“自分はこれに募金したい”という形ができるなど、チャリティーを取り巻く環境や個人の関わり方が大きく変わってきた中で、やっぱり自分の募金が何にどのように使われているのかが、もっとクリアになってほしいのではないかと考えました。そこで、“この企画はこういう目的でやっているので、見ていて心を打たれた人はぜひ募金してください”とダイレクトに届く仕組みを作ったんです」

これは、番組制作チームと24時間テレビチャリティー委員会が密に議論し合って実現したもので、今年はほかにも、事業局と初めて連携する企画「Song for 能登! 24時間テレビチャリティーライブ」(神奈川・ぴあアリーナMM)や、「三代目・岩田剛典が挑む生アート制作 一流画家の作品をオークション」が、それぞれ能登の被災地復興支援への“目的別募金”として実施される。

新しい試みではあるものの、実は『24時間テレビ』第1回放送のメインテーマは「寝たきり老人にお風呂を! 身障者にリフト付きバスと車椅子を!」と、まさに“目的別募金”からスタートしており、いわば原点を見つめ直す形にもなっている。