お笑い芸人の鉄拳が、2025年放送のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に出演することが27日、発表された。大河ドラマ初出演で絵師・礒田湖龍斎を演じる。

鉄拳

大河ドラマ第64作となる本作の主人公は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎。天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期に、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、日本史史上最大の謎のひとつ“東洲斎写楽”を世に送り出した人物の波乱万丈の生涯を描く。横浜流星が主人公の“蔦重”こと蔦屋重三郎を演じ、脚本は、大河ドラマ『おんな城主 直虎』、NHKドラマ『大奥』シリーズなどの森下佳子氏が務める。

鉄拳が演じるのは、蔦重初期の錦絵「雛形若菜初模様」を手掛けた絵師・礒田湖龍斎。蔦重(横浜流星)が企画して、西村屋与八(西村まさ彦)とともに出版した「雛形若菜初模様」は、吉原の遊女たちに新しいデザインの着物を着せて描いた雛形本の浮世絵版の先駆けとして、当時の女性たちの関心を集めることになる。

鉄拳は「大河ドラマは特に戦国ものが好きで良く観ていました。あり得ない事ですが、自分が出演出来たらどうなるのか? と、よく想像をしていました。その大河から出演依頼をいただきとてもビックリしたと共に、こんな名誉な事はもう無いだろうと思い、出演を決めました。あと僕の役、礒田湖龍斎が絵師である事も、何か縁があるのかなと思いました。演技は自信がないですが、絵を描くのは得意なので、絵を描く姿の僕を見てもらいたいです」とコメント。

「横浜流星さんとは一度ご挨拶をさせて頂いたのですが、礼儀正しく、そして何よりカッコよかったです。僕が帰る時も休憩中なのにわざわざご挨拶をしてくれました。ほとんどの方が初対面なので緊張します。他の方に迷惑をかけない様に、出来れば撮影は1人が良いです。でも皆さんとお話しはしたいー」と主演の横浜の印象も述べ、「僕は滑舌も悪いですし、演技も自信がないので、出来れば絵を描く所をよく見て頂きたいと思っています。そのために僕は今、湖龍斎の浮世絵を練習中です」と絵に力を入れていくとした。

鉄拳のほか、当時吉原一の花魁といわれた瀬川(小芝風花)を身請けする“盲目の大富豪”鳥山検校役に市原隼人、平賀源内と行動を共にする“浪人”新之助役に井之脇海、蔦重の義理の母で“駿河屋の女将”ふじ役に飯島直子、松葉屋の番頭新造・とよしま役に珠城りょう、鱗形屋の番頭・藤八役に徳井優、鱗形屋の跡取り息子・鱗形屋長兵衛役に三浦りょう太(りょう=けものへんに寮のうかんむりなし)、葛飾北斎の師匠で当代一の役者絵師・勝川春章役に前野朋哉、御三卿・清水徳川家当主・清水重好役に落合モトキ、一橋家の家老となった意次の甥・田沼意致役に宮尾俊太郎、のちに松平定信となる賢丸(寺田心)を育てた母・宝蓮院役に花總まりが決定した。

【編集部MEMO】
“べらぼう”とは、そもそも「たわけ者」「バカ者」という意味で、それが時を経て、「甚だしい」「桁外れな」という「普通を超える」さまを表す言葉に変化。江戸の言葉の「べらんめえ」の語源ともいわれている。