注目度ランキング5位のテレビ東京『しょせん他人事ですから』と、8位のTBS『西園寺さんは家事をしない』は、どちらも漫画原作の作品という共通点を持つ夏ドラマ。

『しょせん他人事ですから』は、SNSトラブルやネット炎上などのシリアスな現代問題に焦点を当てたリーガルドラマ。一方で『西園寺さんは家事をしない』は、家事をしない独身女性の西園寺一妃(松本若菜)と、松村北斗演じる年下のシングルファーザーとの偽家族生活を描いたハートフルドラマだ。この2作品はある意味で対照的な作品と言えるだろう。

『しょせん他人事ですから』は特に男性からの評価が高く、男性注目度70.3%で1位にランクイン。主人公の弁護士・保田理(中島健人)が「しょせん他人事」と割り切りながらも問題解決に挑む姿が、多くの男性視聴者をくぎづけにしたようだ。

『西園寺さんは家事をしない』は、コミカルな要素が支持を集め、男女の幅広い層に受け入れられていることが分かる。世帯視聴率でも3位にランクインするなど、今クールの夏ドラマの中で高評価の作品となっている。SNS投稿では西園寺と楠見の関係性や、それぞれが抱える問題に共感する声が多く見られた。

漫画を原作とする、対照的な両作品。今後の視聴質の推移に注目していきたい。

高い視聴率をキープする『ブラックペアン シーズン2』

初回放送から2カ月余りが過ぎて、各番組ともストーリーは佳境に入っている。初回放送以降、視聴傾向に変化はあったのか。REVISIOの「週間テレビ番組ランキング」で度々トップ10にランクインしている3番組の7月最終週放送回の視聴データを確認してみよう。

日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS)は、初回放送から注目度を着実に上げてきている。この枠は注目度ランキングで常に上位にランクインしてくるが、『ブラックペアン シーズン2』は医療ドラマとしての面白さに加え、主演・二宮和也の悪魔的な天才外科医役が話題を呼び、回を追うごとに視聴者を惹きつけている。男女ともに注目度が上昇しているのはさすがの一言。世帯視聴率も8.7%と依然として高い水準をキープしている。

『海のはじまり』(フジテレビ)は、男女の注目度差が顕著であることが特徴。目黒蓮主演の同作品は、特に女性視聴者からの支持が高く、注目度71.1%と非常に高い数値を記録している。これは父親へと成長していく目黒の演技や、感動的な親子愛を描いたストーリーが、女性視聴者に強く響いていることが考えられる。

同じくフジテレビの『新宿野戦病院』も男女の注目度の差が大きく、女性からの支持が高い作品となっている。世帯視聴率と注目度は初回から低下しているものの、継続視聴者の心をしっかりとつかんでいることが読み取れます。小池栄子と仲野太賀のW主演、そして宮藤官九郎脚本による独特の世界観が、コアな視聴者層を獲得していることの表れだろう。

このように、7月クール夏ドラマは作品それぞれに異なる魅力があり、それが注目度の高さにつながっていることが分かる。夏ドラマの勝者は果たしてどの作品になるのか、最後まで目が離せない。