3位は、『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ)で、注目度67.1%。同局の看板ドラマ枠の一つである“木10”枠を任された今作は、頭脳明晰ながら人間関係が苦手な”ギーク”な3人の女性警察官が、井戸端会議での雑談から事件解決をしていくという、新感覚の“井戸端謎解きエンタテインメント”だ。

ドラマの舞台は、ノー残業をモットーとする警察署。松岡茉優演じる主人公・西条唯は、優れた記憶力を武器に証拠分析を得意とする警察官。彼女の他にも、心理分析のプロである産業医の吉良ます美(田中みな実)や、地域の地理に精通した交通課員の基山伊織(滝沢カレン)が登場。この3人が週末に集まっては、事件解決をアシストしていくという痛快なストーリーだ。

『ギークス』の魅力は、個性的なキャラクターたちが織りなすユーモアと、彼女たちが事件を解決する過程で見せる知的な一面とのギャップにある。

コミカルな演出とテンポの良い展開で広く視聴者の注目を集め、個人全体注目度で67.1%を記録し、見事3位につけている。さらに、女性の注目度ランキングでは1位を獲得しており、男性との注目度のギャップが12ポイント近くもあるという点も特徴的だ。

刑事モノにもかかわらず、主人公の3人は事件解決の功績にあまり興味がなく、それよりもむしろプライベートの方が難題続きという設定、そして女性同士の友情や仕事、プライベートの両立に悩む姿が、女性視聴者からの深い共感を呼ぶ理由の一つだろうか。

  • 『ギークス~警察署の変人たち~』主演の松岡茉優

    『ギークス~警察署の変人たち~』主演の松岡茉優

松岡茉優「だらだら見てもらえたらうれしいです」

そんな“ギーク”の難しい役どころを、持ち前の演技力でテンポよく演じる松岡茉優は「刑事モノだけどそこまで考察せずに、だらだら見てもらえたらうれしいです」とインタビューで答えている。プロデューサーの森安彩氏(共同テレビ)は「女性3人がライフワークバランスを大事にしながら事件解決をするコメディードラマを作ったら面白いのでは?」という思いつきがこの企画の始まりだったと語っている。その言葉通り、肩ヒジ張らずに見られるドラマという点も、女性視聴者に評価されている要素かもしれない。

SNSでも「西条さんのキャラが最高です。本人は淡々とやっているから逆に面白い」や、「事件の解決よりも定時に帰りたいことを優先する警察ドラマは今までになくて面白かったです」といった投稿が見られ、視聴者がドラマを楽しんでいることがうかがえる。