• 山本耕史

近年はコミカルな役も任されるなど役の幅が広がり、肉体美を披露する場面もたびたび話題に。制作陣も山本の起用をとても楽しんでいるように感じるが、山本自身も作品ごとに役作りを楽しんでいるという。

「自分に求められているものは何か、自分に与えられている役割は何かというのをすごく意識していて、その結果、楽しんでもらえていたらうれしいなと思いますね」

とはいえ、自分が納得できないことはしないという姿勢は昔から変わらないという。

「演じる役に対して疑問を感じるようなシーンなど、表現として違うのではないかなと思うことはやらないようにしています。生きている人物でいないといけないので、そうじゃなくなっているなと思った時には、意見を言うように。ただ、現場が止まるのは嫌なので、解決策も先に提案するようにしています」

俳優としてますます存在感を高めている中で迎える日米合作『RENT』。再び『RENT』の舞台に立つ意味も考えているという。

「1周した感じがしていて、この先どうしようかなという気持ちもあって、また『RENT』をやることでどういう風に自分のベクトルが向いていくのか、やってみないとわからないなと。今後、小さい劇場でやるのがいいのか、大きいところでグランドミュージカルをやるのがいいのか、あるいは自分で作るのか。26年前に『RENT』で広げてもらった自分の風呂敷があったとしたら、そこからどんどん自分が広がっていき、それを今回かき集めてぎゅっと縛るようなイメージです。次、これをまた開くのか、違うものを開くのか……違うもの開くかもしれないですね」

「違うもの」という新たな挑戦とは何なのか? 「作り手なのかわかりませんが、もう50歳近いので、やるなら早く動いていかないとなとは思っています」。2度目の『RENT』を完走した後、山本がどのような気持ちを抱き、その先どのような活動をしていくのか、気になるところだ。

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■山本耕史
1976年10月31日生まれ、東京都出身。0歳から芸能活動を開始し、1987年に『レ・ミゼラブル』で本格的に活動を開始。ドラマ『ひとつ屋根の下』シリーズ(93、97)で注目を集める。2004年「第42回ギャラクシー奨励賞」、2005年「第29回エランドール賞」新人賞、2015年「第23回読売演劇大賞」優秀男優賞などを受賞。近年の主な出演作はドラマ『きのう何食べた?』シリーズ(19、20、23)、『鎌倉殿の13人』(22)、『ハヤブサ消防団』(23)、『不適切にもほどがある!』『花咲舞が黙ってない』(24)、映画『シン・ウルトラマン』(22)、映画『キングダム 運命の炎』(23)、『キングダム 大将軍の帰還』『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(24)、舞台『浅草キッド』(23)など。Netflixシリーズドラマ「地面師たち」が配信中。

スタイリスト:笠井時夢 ヘアメイク:佐藤友勝