鉄道・運輸機構は、「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)詳細駅位置・ルート図(案)」を公式サイト上に公開した。今後も環境影響評価手続や諸条件の検討を進め、2026年3月頃に工事実施計画認可・事業着手を行う計画としている。

  • 北陸新幹線は現在、東京~敦賀間で「かがやき」「はくたか」「つるぎ」など運行している

北陸新幹線はこれまでに東京~敦賀間が開業。残る敦賀~新大阪間に関して、鉄道・運輸機構による環境影響評価の手続きやルートの選択などが行われている。鉄道・運輸機構の公式サイト上に公開された「北陸新幹線(敦賀・新大阪間)詳細駅位置・ルート図(案)」では、敦賀駅から先、「東小浜」「京都」「松井山手」「新大阪」に停車場を設定。各区間をつなぐ線路のほとんどが地下に敷設する計画となっている。

設定する停車場のうち、「京都」に関して、位置の異なる「東西案」「南北案」「桂川案」の3案を提示。それぞれの案を採用した場合のルート、工期、課題等を説明している。

  • (出典 : JRTT 鉄道・運輸機構ウェブサイト)

  • (出典 : JRTT 鉄道・運輸機構ウェブサイト)

「東西案」は現京都駅の東西に沿った位置に停車場を設置。地下鉄烏丸線などの既設地下構造物を避けるために深く(約50m)なり、工期を要するとのこと(おおむね28年程度)。東海道新幹線の京都駅(直接基礎)が近接するほか、地下鉄烏丸線を下から支えながら施工する必要があるため、変位抑制や掘削時の施工管理の難易度が高くなる。長期にわたる八条通の交通規制も必要になるという。

「南北案」は現京都駅に対して南北に交差する位置に停車場を設置。駅部において大型物件の用地協議・取得が必要ではあるが、JR京都線(在来線)・東海道新幹線とは八条通を挟み駅部工事との離隔が確保されるため、施工管理上では特段の影響はないという。工期は最も短く、おおむね20年程度とされている。

「桂川案」はJR京都線(在来線)の桂川駅付近に停車場を設置。JR京都線をアンダーパスする府道等の既設地下構造物を避けるために駅が深く(約50m)なり、工期を要するとのこと。JR京都線が近接し、変位抑制や掘削時の施工管理の難易度が高いという。