北陸新幹線金沢~敦賀間が開業した3月16日、JR西日本は福井駅、敦賀駅など各駅で開業式典・出発式を開催した。取材後、福井駅から敦賀駅まで北陸新幹線の下り「つるぎ」に乗車。敦賀駅で在来線特急列車へスムーズに乗り換えるための工夫も見てきた。

  • 北陸新幹線金沢~敦賀間が開業。各駅ともホームは多くの人でにぎわった

新たに北陸新幹線の駅として開業した6駅のうち、敦賀駅、越前たけふ駅、福井駅、小松駅は上りの始発列車「かがやき502号」に合わせて開業式典・出発式を行った。敦賀駅の出発式では、JR西日本代表取締役社長の長谷川一明氏らが出席したほか、北陸新幹線金沢~敦賀間開業プロモーションのテレビCMにも出演した中条あやみさんが出発の合図を行ったという。福井駅の出発式では、「福井市特別1日駅長」の橘ケンチさん(EXILE / EXILE THE SECOND)が出発の合図を行った。

早朝にもかかわらず、福井駅の北陸新幹線ホームは地元の人々や鉄道ファン、報道関係者らで混雑した。上り始発列車「かがやき502号」は6時31分、ほぼ定刻に福井駅の11番のりばへ到着し、約1分停車した後、金沢・東京方面へ発車。その数分後、下り始発列車の「つるぎ1号」が12番のりばへ到着し、6時36分に発車して敦賀駅へ向かった。

  • 敦賀駅での開業式典・出発式に中条あやみさんが登壇。出発の合図を行った(JR西日本提供)

  • 福井駅での出発式の様子(JR西日本提供)

  • 福井駅に到着した「かがやき502号」

  • 早朝にもかかわらず多くの人が集まった

北陸新幹線の延伸開業に加え、旧JR北陸本線を引き継いだハピラインふくいが開業を迎えたこともあり、午前中の福井駅は多くの人でにぎわっていた。福井駅まで乗り入れる福井鉄道の電車もかなり混雑していた。午前の時間帯、福井駅から敦賀駅まで下り「つるぎ」に乗車したが、福井駅のホームは早朝と同様の混雑ぶり。「つるぎ」は敦賀駅で特急「サンダーバード」「しらさぎ」と接続する役割を担うだけに、指定席の車内もほとんどの席が埋まっていた。

「つるぎ」は福井駅を発車した後、しばらく高架区間を快走。その姿をひと目見ようと、地元の人々が沿線に集まり、新幹線に向かって手を振る親子の姿も見かけた。福井駅から次の越前たけふ駅まで、所要時間はわずか8分。実際に乗ってみると、席に座ってから落ち着く余裕もなく、あっという間に越前たけふ駅に着いてしまうような印象だった。

越前たけふ駅から敦賀駅まで、約19.8kmの新北陸トンネルをはじめ、トンネルの連続する区間となるが、「つるぎ」は引き続き高速で駆け抜けて行く。最後のトンネルを抜け、敦賀市の町並みが見えてくると、キャリーバッグなど大きな荷物を持った乗客が早めに立ち上がり、ドア付近に並ぶ光景が見られた。

福井駅から敦賀駅までの所要時間は20分前後。当日にきっぷを購入し、指定席を利用した場合の特急料金は2,400円(運賃・特急料金の合計は3,260円)で、やや割高感があったものの、北陸新幹線の開業で福井市と敦賀市がより近くなったことを実感できた。

  • 下りの始発列車は「つるぎ1号」。「敦賀」と行先が表示された

  • 敦賀駅の13番のりばに入線し、発車を待つ「はくたか」

  • 敦賀駅の11・12番のりばから「つるぎ」、13・14番のりばから「はくたか」「かがやき」が発車していた

  • 「つるぎ」の到着後、2階の乗換改札は混雑する。乗換改札から在来線特急ホームへの動線が列車ごとに色分けして示された

一方、北陸新幹線が敦賀駅まで延伸され、特急「サンダーバード」「しらさぎ」が敦賀駅止まりとなったことで、大阪・京都方面および名古屋・米原方面から福井・金沢方面へ向かう場合、敦賀駅での乗換えが必要となった。

午前中に乗車した下り「つるぎ」は、名古屋行の上り「しらさぎ」への乗換え時間が10分、大阪行の上り「サンダーバード」への乗換え時間が12分となっていた。実際に見た印象として、キャリーバッグなど大きな荷物を持った乗客が下りエスカレーターに集中してしまうため、大荷物でない場合は階段を利用したほうが早く乗り換えられそうに思える。2階の乗換改札も、「つるぎ」の到着後は混雑していた。

JR西日本は、敦賀駅で安心して乗り換えてもらうことを目的に、駅の案内サインを充実させるなどの取組みを行っている。乗換改札から在来線特急ホームまで、「サンダーバード」は青色、「しらさぎ」は橙色に分けてそれぞれ動線が示され、在来線特急ホームでも上り「しらさぎ」(6両編成)は34番のりばの前方、上り「サンダーバード」(9両編成)は33番のりばの中央付近に停車し、両列車の動線が重ならないようにするなど、スムーズに乗り換えられるように工夫している様子だった。なお、この日はハピラインふくいの列車が遅延したこともあり、「サンダーバード」「しらさぎ」ともに乗換えを待って数分遅れで発車する列車が複数あった。

  • 特急「サンダーバード」は33番のりば、特急「しらさぎ」は34番のりばから発車

  • ハピラインふくいの普通列車(福井行)。JR西日本時代のカラーリングで運行していた

  • ハピラインふくいのオリジナルカラーをまとった車両も運行開始している

  • 敦賀駅の新幹線駅舎。出入口名称は「東口(やまなみ口)」に

敦賀駅の新幹線駅舎は、3階に新幹線ホーム、2階に乗換改札など、1階に在来線特急ホームを有し、「敦賀要塞」とも称される高さ約37mの巨大な建物に。出入口名称は「東口(やまなみ口)」とされ、駅前広場や駐車場などに加え、憩いの場として緑化空間と川沿いの散策路も整備された。現在、新幹線駅舎「東口(やまなみ口)」と在来線駅舎「西口(まちなみ口)」を結ぶ自由通路等はないが、敦賀市が「敦賀駅東西連絡バス」を運行しているとのことだった。