JR北海道は17日、道内都市間主要3線区における特急列車の利用状況等について、同社サイトに資料を公開した。2024年度第1四半期(2024年4~6月)は3線区合計で前年比約103%だが、東室蘭~苫小牧間で前年を下回った(約99%)という。

  • 室蘭・東室蘭~札幌間で運転される特急「すずらん」。今年3月のダイヤ改正で全車指定席化された

資料によれば、道内都市間主要3線区(東室蘭~苫小牧間、南千歳~トマム間、札幌~岩見沢間)における年度累計(4月1日から6月30日まで)の利用状況は前年比102.6%とのこと。3線区のうち、南千歳~トマム間は前年比107.1%、札幌~岩見沢間は前年比104.0%でともに前年を上回ったが、東室蘭~苫小牧間は前年比98.7%で、前年を下回る利用状況となった。

東室蘭~苫小牧間を含む室蘭本線の電化区間では、昨年5月から普通列車に新型車両737系が投入されている。気動車から電車への置換えに伴う走行性能の向上により、普通列車における平均所要時間の短縮を図った。今年3月のダイヤ改正で、同区間を走る特急「北斗」「すずらん」が全車指定席化されたが、南千歳~トマム間を走る特急「おおぞら」「とかち」も同時期に全車指定席化しており、こちらは前年より利用が増加している。

JR北海道は、東室蘭~苫小牧間における特急列車の利用が前年を下回ったことに関して、「苫小牧・東室蘭両駅のご利用人数に大きな変化は無いため、普通列車へお客様が転移したと見られる」と説明している。なお、6月の速報値のみ見た場合、東室蘭~苫小牧間も前年比101.8%(6月上旬95.6%、6月中旬101.2%、6月下旬102.5%)で、他の2線区と同様、前年を上回る利用状況だった。

  • 室蘭本線の電化区間では、昨年5月から普通列車に737系を投入している

ただし、2019年4~6月と比較した場合、道内都市間主要3線区の利用状況(2024年4~6月)は80.0%、北海道新幹線を加えても92.5%であり、依然としてコロナ禍前の水準に戻っていないことがうかがえる。道内都市間主要3線区と北海道新幹線の収入状況(2024年4~6月)は172億2,400万円とされ、前年比104.2%(7億200万円増)、2019年との比較で97%(5億2,800万円減)だった。