俳優の森田剛と間宮祥太朗が、Bunkamura Production 2024『台風23号』でW主演を務めることが5日、明らかになった。
同作は劇作家・赤堀雅秋の最新作。台風が迫るとある町に生きる市井の人々を赤堀独自の視点で描き出す。森田と間宮は初共演にしてW主演となり、作品内容が未だベールに包まれながらも、「赤堀作品ならば」と出演を快諾した出演者たちが集った。
さらに、かねてより赤堀作品への出演を切望していた木村多江、そして藤井隆、伊原六花、駒木根隆介、秋山菜津子、佐藤B作が作品を屋台骨として支え、赤堀含む総勢9名の豪華俳優陣が名を連ねた。
東京公演はTHEATER MILANO-Za、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて11月1日~4日、愛知公演は穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて11月8日〜9日。
■赤堀雅秋 コメント
森田さんとは以前から是非ご一緒したかった。紛れもないスターながら、血肉の通った人間を泥臭く演じられる稀有な俳優だと思っていました。間宮さんは底知れない迫力や狂気が感じられる演技巧者ですし、お二人が出会うことで生じるはずの化学反応を上手く作品に反映出来たらいいな、と。他にも自ら出演を希望してくださった木村さん、誠実なお人柄が演技にもにじむ藤井さん、初めましてながら大きなエネルギーが感じられる伊原さん、近しい芝居仲間の駒木根さん、回を重ねてご一緒しても魅力の底が知れない秋山さん、演劇の大先輩でどんな要求にも応えてくださりそうなB作さん、全員が芝居作りのためなら自分と一緒に泥だらけにもなってくれる人たちだと確信しています。
■森田剛 コメント
人との関わりの中で様々な感情にまみれ、生々しく匂い立つように舞台で生きているのが赤堀雅秋さんの生み出すキャラクター。それを演じる赤堀さんご自身の、チャーミングであると同時に怖いような佇まいも含め、憧れながらいつも面白く拝見していました。作品の中にただ「居る・在る」という状態は、俳優である自分にとっての理想形。赤堀さんとの創作ではきっと、そんな状態をあらゆる場面で求められる気がしています。自分から話したり自分を表に出したりできないタイプでご面倒をおかけしそうですが、赤堀さんが僕らを素材として立ち上げる〝市井の人々〟を嘘なく演じられたら、と思っています。
■間宮祥太朗 コメント
THE SHAMPOO HAT公演と映画化版の両方を観た『葛城事件』が赤堀雅秋作品の初体験です。とても面白いのはもちろん、安易には直視できないような人間の暗部を暴き出す筆致にガツンとした衝撃を受け、俳優としてその作品世界にいつか身を投じてみたいと長く思ってきました。待望の初参戦が叶い、まだ見ぬ自分に出会ってさらけ出す、そんなコントロールから外れるような体験ができれば、お客様にも楽しんでいただけるのではと予感しています。共演者の皆さんは、今の段階では素顔がどんな方なのか想像もつかない森田剛さんをはじめ、強い存在感を放つ方ばかりです。体当たりで臨むしかないと思っています。
■木村多江 コメント
赤堀雅秋さんの作品初体験はシアターコクーンの『世界』。俳優であることや、役を越えて舞台上で生きる演者の皆さんの姿は私の理想で、その存在感に魅了されました。その惚れ込みようは後日、ドラマの楽屋で偶然すれ違った赤堀さんに「いつか出していただけるよう精進します!」と、一方的に宣言したほど(笑)。念願かなった今回、新作書き下ろしで未知の作品への参加は初めてで不安もありますが、赤堀作品に描かれる、登場人物たちが自分の「生」を強く意識する瞬間を味わうことがまずは目指すところ。台風の渦中のような、混乱の中でこそ生を実感する人間の業(ごう)や性(さが)をしっかり体現したいと考えています。
■藤井隆 コメント
最近、出演させていただく演劇作品に関して「スゴいね!」「大丈夫?」など、驚いたり心配されることが多いんです(笑)。それだけ新たな挑戦が続いているわけで、悩みつつも自分が新しくなる手応えが感じられる素晴らしい経験を与えていただきました。赤堀雅秋さんの新作への参加も、僕にとっては特別なチャレンジ。赤堀作品の常連陣には仲良くしてくださる俳優さんが多く、毎回楽しく拝見していました。そんな作品の一部になれるよう全力で臨み、お客様方にはタイトル通り台風の不穏さ・激しさから通り過ぎた後の爽快感までを味わっていただける舞台にできたらいいな、と考えています。
■伊原六花 コメント
演劇好きな方々と話していると、「誰の演出を受けたい?」と訊き合うような会話になることがあり、そこで赤堀雅秋さんのお名前が挙がることが多く、今回ご一緒させていただくことができ、とても嬉しいです。もちろん私自身も赤堀作品の登場人物たちの生々しさや、人間の美しさと汚れた部分の両方を見せる劇中の世界観を是非体験したいと思っている俳優の一人。そんなリアルな劇世界を生み出す赤堀さんが俳優としても参加し、共演の先輩方も森田剛さんをはじめ素晴らしい方ばかり。この恵まれた環境を無駄にしないよう、創作過程の全てを吸収すべくしっかり作品に向き合いたいと思っています。
■駒木根隆介 コメント
作品を観続けているせいか、赤堀雅秋さんの常に近いところに居る気になっていましたが、実はご一緒させていただくのは5年ぶりです。一作ごとに自身を更新するように変わっていく赤堀作品の最新形に、森田剛さん、間宮祥太朗さんら演技も存在感もスゴい俳優の皆さんに紛れ込むように参加させていただく今回。赤堀さんが自分にどんな役割をくださるのか、また芝居づくりの過程でどんな景色が見られるか非常に楽しみです。加えて藤井隆さんなど以前に共演させていただき、赤堀作品が初めての方が何人かいらっしゃるので、赤堀ワールドとの橋渡し役をお手伝いできればとも考えています。
■秋山菜津子 コメント
赤堀雅秋さんとご一緒させていただくのは『大逆走』、『美しく青く』に続き今回で三度目です。回を重ねても、どんな役を振られ、何が出て来るかわからないところが赤堀作品の魅力でありコワいところ。飛んでくる球をちゃんと受け止め、いかに投げ返すかということにしっかり向き合わなければ、赤堀さんの描く〝市井の人々〟として舞台に立つことはできない気がするんです。でも共演の皆さんが、舞台でご一緒させていただいたことのある森田剛さん、藤井隆さんをはじめ非常に魅力的な方ばかりなので、力を貸していただきつつ楽しく稽古をし、全員と絡みながらお芝居できたらいいですね。
■佐藤B作 コメント
身近な人に勧められ、THE SHAMPOO HAT時代から赤堀雅秋さんの作品は拝見していました。常に「今」という時代を映し、声高ではないけれど内側に怒りを抱えた人々を描くうえ、人間社会の滑稽さを巧みに笑いに昇華する。非常に信頼できる作家で、晩年近い自分がその劇世界を生きられることが嬉しくてたまりません。しかも、これだけ豪華で初めましての方が多い現場も最近では珍しく、良い緊張感も味わっています。そう、芝居づくりには緊張感が大事。でも過度の緊張には耐えられない気弱なタイプなので(笑)、赤堀さんにも共演の方々にも優しくつき合っていただきたいのが本音です。