• コロッケ

ものまね対象者の特徴を誇張するコロッケのネタ。本人から嫌がられてもやり続け、次第に受け入れてもらえるようになったと変化を喜んでいる。

「ご本人が嫌がることをやっているわけですが、雪解けが来るんだなと。20年、30年やっていると、ご本人とお話しする機会がでてきて『別にやってもいいけど』と言ってもらえたり。野口五郎さんも岩崎宏美さんも五木ひろしさんも北島三郎さんも、皆さんにかわいがっていただけるようになり、こんな時期が来るんだなと思いますね。コロッケだから仕方ないと許していただけるようになり、ものまねを職業として認めていただけるようになってきたのかなという感覚があります」

本人から優しい言葉をかけてもらったときには反省の気持ちも芽生えるそうで、「失礼なことをやっちゃいけない」と思うも、結局は「失礼なことをやらないのは余計失礼だから、もっとやろう」という考えになるという。

ものまね対象者のファンも、以前と比べて温かい目で見てくれるように。

「今は皆さん、怒るというより、仕方ないなと諦めてくれたのかなと(笑)。『ダメって言ったってどうせコロッケはやるでしょ』と思っていただけるようになった気がします」

とはいえ、今でも怒りを買うことは多々あるようで、『鬼滅の刃』のものまねをした際には、作品のファンから怒られたという。

「『鬼滅』ファンは怒りますが、他の人たちは笑っているという、遡ればずっとそれの繰り返し。田原俊彦さんをやり出したときも、ファンの方は怒っているけど、そうではない人たちは笑っている。そして、怒っていた方たちも次第に、仕方ないと受け入れてくれるという感じですね」

批判的な声が寄せられても傷つくことはないそうで、「それも楽しんでいます。昔から異常なプラス思考なので」とニヤリ。「好きだからやっているというのが一番。僕はモノマネしかないので、それを王道としてやり続けていくしかないと思っています」と熱い思いを語った。

ものまねの対象にする人たちについては、「好きだから余計なことをしたくなってしまう。ネタは尽きないです」と言い、「最近BTSのモノマネもしていて、『Dynamite』を『サムゲタン』という替え歌にして歌っていますが、好きで聴いていたら思いつくんです。基本的にいたずらっ子で、性根が悪なんでしょうね。『Dynamite』はかっこいい曲ですが、面白くしたくなってしまうんです」と笑った。

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「ものまねは生涯現役! 一生ふざけます!」 新たな挑戦も続々

今年6月に憧れの中村が50周年を迎えるが、コロッケは2030年が50周年の節目となる。

「50周年まであと5年ちょいですが、今後も今やっていることを持続させていることが一番大事だと思っています。ものまねは生涯現役! 一生ふざけます!」

今の活動を持続させながら、新しいことにも挑戦していくつもりだという。

「60歳を過ぎてからいろいろなことに挑戦していて、少し前からやっているものまね落語も完成してきていますし、DJコロッケというものをやったり、食べながらものまねなどが見られる食フェスをプロデュースしたり。持続が一番大事ですが、そこに付随する新しいことも増やしていきたいなと。たぶんそのうち畑もやったりしていると思います」

新境地を開拓し続け、60代になりパワフルさが増しているコロッケ。「せっかく芸能界にいるのに頑張らなくてどうすんの!? って思うんです。この場所にいさせてもらっているので、できることはどんどんやっていきたいなと。ネタもまだまだ尽きないですし、野望は多いので(笑)」とエネルギーに満ち溢れていた。

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■コロッケ
1960年3月13日生まれ、熊本県出身。1980年8月に『お笑いスター誕生』(日本テレビ系)でデビュー。テレビやラジオへの出演のほか、全国各地でのものまねコンサートや大劇場での座長公演を定期的に務める。現在のものまねレパートリーは300種類以上。俳優として映画やドラマなどにも出演している。2014年に文化庁長官表彰、2016年に日本芸能大賞を受賞した。