日本各地に残された美しい風土や暮らし、人々の営みをオムニバス形式で描く、NHK BSの本格的な紀行ドキュメント番組『新日本風土記』にて、春の釜石線沿線にスポットを当てた「銀河の鉄路 釜石線の旅」が6月3日から放送される。

  • 新たな観光車両「ひなび」も走る釜石線。沿線の住民たちにもスポットを当てる

JR釜石線は、岩手県の内陸・花巻市と沿岸・釜石市を結び、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のモデルになったともいわれる路線。約90kmの沿線には、宮沢賢治が愛した花巻温泉郷、遠野物語の里、鉄の町があり、さまざまな暮らしが営まれている。

釜石線の歴史は古く、鉱石を運ぶための釜石鉱山専用鉄道がその前身。運転開始は1880(明治13)年とされ、新橋~横浜間、大阪~神戸間に次ぐ日本で3番目に古い鉄路だという。花巻側は大正期の岩手軽便鉄道で、海岸まで横断することが望まれたものの、仙人峠の難所が立ちはだかり、釜石線の全通は1950(昭和25)年のことだった。

  • ライトアップされためがね橋と釜石線

  • 菜の花と釜石線

  • 鬼ヶ沢橋梁

  • 陸中大橋駅

  • 水田と釜石線

  • 北上川を渡る釜石線

内陸と海がつながり、製鉄所への通勤、高校への通学など人や物を運び、国鉄のディスカバー・ジャパンキャンペーンが観光客を呼んだが、現在は赤字ローカル線に。鉄道ファンを魅了してきた「SL銀河」も2023年6月に運行終了したが、それでも人々は路線を大切にしている。

釜石線を応援する見送り隊の家族、早朝の列車で大谷翔平選手の母校・花巻東高校に通いダンスに熱中する少女、「子とも流鏑馬」など地元の伝統を守り伝えることにカを注ぐ「撮り鉄」の宮司、東日本大震災からよみがえった釜石の居酒屋と常連の絆、宮沢賢治の銀河を手作りアクセサリーに表現する職人と家族など、「みちのくの銀河鉄道」釜石線沿線の「春の物語」を届ける。

  • 大谷翔平選手からもらったグローブで遊ぶ小学生の姿や、鉄鉱石を採掘していた釜石鉱山の坑道なども紹介される

『新日本風土記』の「銀河の鉄路 釜石線の旅」は、NHK BSプレミアム4K(BSP4K)で6月3日21時から21時59分まで放送。NHK BSでも6月4日20時から放送される。