女優の桜田ひよりが、6月25日にスタートするカンテレ・フジテレビ系ドラマ『あの子の子ども』(毎週火曜23:00~)で主演を務める。恋人役は、俳優の細田佳央太が演じる。

左から桜田ひより、細田佳央太=カンテレ提供

■蒼井まもる氏の同名少女漫画を実写化『あの子の子ども』

第47回講談社漫画賞・少女部門(23年度)を受賞した蒼井まもる氏の同名少女漫画を実写化する同作は、妊娠が発覚したことで日常がガラリと変わってしまった高校2年生カップルの姿を描いた作品。カンテレドラマ初主演となる桜田は主人公・川上福(かわかみ・さち)を、その恋人の月島宝(つきしま・たから)を細田佳央太が演じる。桜田と細田は初共演となる。

高校2年生の福と、幼なじみの恋人・宝。2人の関係は親も公認で、別々の高校に通いながら穏やかな青春時代を過ごしていた。やがて、自然な流れで2人は、恋人として愛し合い、結ばれる。しかしある日、避妊に失敗してしまい、その後、体の異変に気が付き福の妊娠が発覚。決してなかったことにできない現実に悩み、葛藤する2人。本当に子どもを産んで育てられるのか? そんな問いを突き付けられた“まだ子ども”の福と宝は……。

桜田が演じる福は、ごく普通の高校2年生。幼なじみの恋人・宝と過ごしたり、友人たちと遊んだり、楽しみにしているドラマや漫画があったりと、平凡ながら不満はない幸せな日々を送っていた。しかし、妊娠という現実を前に、悩み、葛藤し、もがきながら、自分なりの未来を選んでいくという役どころだ。主演の桜田は、映画『交換ウソ日記』のヒロイン・黒田希美役で今年3月に開催された第47回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した若手実力派俳優。公開中の映画『バジーノイズ』では主演を務め、8月公開予定の映画『ブルーピリオド』への出演も控えている。

細田が演じる宝は、福の幼なじみの恋人で、他校に通う高校2年生の陸上部員。駅伝の強豪大学に進学することを目標に、日々、部活に励んでいる。女手一つで自分を育ててくれ、部活の費用も出してくれている母親に心から感謝している。学校や部活で良い成績を出すことで母親が喜んでくれることを自身もうれしく感じており、いつからか、どう答えたら相手が喜ぶかを考えてしまう性格に。真面目で優しく、福のことを心から大切にしているという役どころだ。細田は、昨年放送された『どうする家康』(NHK)や現在放送中の『95』(TX系)への出演のほか、7月から配信される『七夕の国』(Disney+)で主演を務めるなど、目覚ましい活躍を見せている若手実力派。また、ドラマだけではなく『ラヴィット!』(TBS)、『ZIP!』(NTV)などに出演し、マルチな活躍を見せている。同世代の桜田と初共演となる本作で、フレッシュなカップリングに注目が集まる。

蒼井氏による原作は、コミック雑誌『別冊フレンド』(講談社)にて連載中で、2023年に第47回講談社漫画賞・少女部門を受賞し、アメリカの漫画賞2024年アイズナー賞「ティーン向けベスト出版」に最終ノミネートした作品。恋愛の先にある10代の妊娠を描く作品として注目を集め、コミックは現在8巻まで発売されている。脚本は『舟を編む〜私、辞書作ります〜』『しずかちゃんとパパ』(NHK)、『ウソ婚』(カンテレ)などを手掛けた蛭田直美氏が、音楽は『ひきこもり先生』(NHK)などを手掛けたharuka nakamura氏が、監督は『たそがれ優作』(BSテレ東)『往生際の意味を知れ!』(MBS系)などを演出したアベラヒデノブ氏がチーフを務める。

■桜田ひより コメント

このお話をいただいた時は、素直にうれしい気持ちと、自分が先頭に立って伝えていこうという使命感を感じました。皆さんそれぞれ感じ方があって、どれをとっても正解でもないし、不正解でもありません。演じる私たちも色んなことを張り巡らせて創っていきますので、皆さんの中でも考えるものが生まれたり、人と話す内容ができたり、横と横のつながりができたりと、この作品をきっかけに色んなことを感じとっていただけたらうれしいです。

原作を読んで、演じる福の中にあるどこか言葉では表しきれない表情の変化や、それを察知する周りの人たちに胸を打たれました。そして、相手役が細田さんと聞いた時は、大丈夫だなという安心感が自分の中に芽生えました。まだ一緒に過ごした時間は少ないですが、芯があって、思っていることを言葉にしてくださる方ですし、どんなふうになるんだろうなという想像が膨らむ脚本をいただいたので、細田さんと一緒にその場の空気感や関係性を出していけたら、きっと素敵なシーンになるだろうなと思います。この作品に携わるすべての方の思いが少しでも皆さんに届くよう、大切に大切に創り上げます。よろしくお願いします。

■細田佳央太 コメント

福と宝の高校生カップルの関係性が微笑ましく、学生である皆さんにはより近く感じていただけると思いますし、このドラマを見て同じ悩みを持っている方の背中を押すきっかけになったらそれ以上のことはありません。親世代の方にも見ていただきたいですし、ドラマを見て家族間での会話が増えたらうれしいなと思います。演じる宝とは、育ってきた境遇が似ている部分はありますが、格好良くてしっかりした男の子なので、どうやって価値観を自分とすり合わせていくか考えています。悩んでいたり不安な気持ちがあったりする男の子にも、こういう選択肢があるんだよ、こういうことができるんだよ、といった事を自分なりに男性目線でも伝えられるよう、原作が核にしているところを大切に、とにかく全力で向き合っていきたいと、やる気に満ちています。

主演の桜田さんとは初共演ですが、彼女のお芝居に負けないよう、自分が遅れを取らないように頑張ります。何より一緒にお芝居をするのが楽しみです。スタッフさん含めて撮影前から熱量の高さを感じているチームで、こういった難しくも繊細なテーマを描くのに皆が同じ方向を向いています。よりよい作品にして皆さまにお届けできるよう精一杯頑張りたいと思いますので、ぜひ放送を楽しみにしていてください。

■原作者・蒼井まもる氏 コメント

桜田ひよりさんと細田佳央太さんには難しい役を引き受けていただき恐縮しておりましたが、この漫画においてのキャラクターを深く掘り下げ、分析し、役割について考えてくださっていることを伺い、今はただただ感謝しています。実写というものはとてつもない力を持っていると認識しています。その力がどのように作用するか想像を巡らせながら、一視聴者として放送を待ちたいと思います。

■プロデューサー・岡光寛子氏 コメント

若年層が気軽に触れられる少女漫画で、恋愛の先の性、そして高校生の妊娠というテーマを真摯に描く原作に感銘を受け、「ラブ」をテーマとしている火ドラ★イレブン枠で、是非ドラマ化したいと思いました。突然ふりかかった“なかったことにできない”現実に、もがき、葛藤し、得体の知れない感情に揺れ動く高校生たち。主演は、持ち前の愛くるさと底力のすごみ、独特の温度感の儚さに心惹かれる桜田さん。共演は、やさしさと強さを兼ね備え、あらゆる人の心に刺さるお芝居で魅了する細田さん。お二方が演じる福と宝と一緒に悩みながら、大切に丁寧に紡いでいきたいと思います。ひっそりと、でも繰り返し観てもらえるような、誰かの密かな宝物みたいなドラマにしたいです。 

  • 原作:蒼井まもる『あの子の子ども』(講談社「別冊フレンドKC」刊)(C)蒼井まもる/講談社

【編集部MEMO】
■桜田ひより
2002年12月19日生まれ、千葉県出身。子役からキャリアを重ね、『明日、ママがいない』(14年)で注目を集める。2018年から『Seventeen』の専属モデルとして活躍し、2023年3月に卒業。ドラマでは話題作『silent』(22年)に出演。2023年はドラマ『沼る。港区女子高生』『あたりのキッチン』で主演を務め、『家政夫のミタゾノ』ではヒロインを務める。主な出演作にドラマ『ワイルド・ヒーローズ』(15年)、『祈りの幕が下りる時』(18年)、『男はつらいよ お帰り 寅さん』(19年)、映画『おそ松さん』(22年)など。アニメ映画『雄獅少年/ライオン少年』(23年)で声優として出演、『交換ウソ日記』(23年)ではヒロインを務めた。第47回日本アカデミー賞「新人俳優賞」受賞。現在、映画『バジーノイズ』公開中。公開待機作に、映画『ブルーピリオド』(8月9日公開予定)がある。
■細田佳央太
2001年12月12日生まれ、東京都出身。4歳から活動を始める。2019年に1,000人超えの応募者の中から抜てきされ、映画『町田くんの世界』にて映画初主演。2021年、TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』や日本テレビ系『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』などで注目を集め、2022年、テレビ朝日系『もしも、イケメンだけの高校があったら』で連続ドラマ初主演を務める。2023年は、映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、『ナックルガール』、NHK大河ドラマ『どうする家康』、WOWOW『ドロップ』、TBS『フェルマーの料理』に出演。現在放送されているテレビ東京系ドラマ『95』に出演中。主演ドラマ『七夕の国』が7月4日にDisney+で配信スタートする。