ランボルギーニ・ジャパンはSUV「ウルス」のプラグインハイブリッド車(PHEV)「ウルスSE」を発表した。充電しておけば電気のみで走れるウルスのPHEVは、V8エンジンに加えモーターもバッテリーも搭載している。なので、さぞ高くなるのだろうと思っていたのだが、価格は意外にも(?)抑えられていて驚いた。

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    ランボルギーニ「ウルス」が電動化! 性能はどうなる?

ウルスSEの性能を確認

ウルスはランボルギーニ初のSUVとして2018年に発売となった。2012年に「北京モーターショー」でコンセプトモデルを発表した際には売れるかどうかを疑問視する声が上がったそうだが、結果的には「ランボルギーニ史上最高の成功を収めたモデル」(ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラさん)となっている。

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    ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラさん

ウルスSEは最高出力(馬力)800PSのPHEV。4.0LのV型8気筒エンジン(最高出力620PS、最大トルク800Nm)にモーター(192PS、483Nm)とリチウムイオンバッテリー(容量25.9kWh)を組み合わせる。フル充電だと60km以上を電気のみで走行することが可能だ。バッテリーはリアに搭載しているという。

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    「ウルスSE」のボディサイズは全長5,123mm、全幅2,022mm(ミラーを除く)、全高1,638mm、ホイールベース3,003mm。ボディカラーは100種類以上から選べる

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    「ウルスSE」はパフォーマンスにも妥協なし。停止状態から100km/hまでの加速に要する時間(ゼロヒャク加速)は3.4秒だ

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    「ウルスSE」の充電口

ランボルギーニが電動化に注力しているのは、当然ながら地球環境を考えてのことなのだが、だからといって、環境性能を高めるために性能を犠牲にするような手法は取っていないという。ウルスSEでは「サステナビリティもパフォーマンスも」(スフレコラさん)妥協なくこだわったそうだ。例えばエンジンはPHEV化してもダウンサイズせず、電動パワートレインとの最適な相乗効果を狙って再設計を行ったとのこと。

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    「ウルスSE」のV型8気筒ツインターボエンジン

ウルスSEで新たに採用した機能は、車体の中央に配置した縦型の「電動トルクベクタリングシステム」だ。タイヤへのトルク配分を可変的かつ継続的に制御する技術で、走りの楽しさをより高めることができるという。こうした技術を取り入れたこともあって、「これまでのウルスよりもエキサイティングなドライビングを提供できることについては保証します」とスフレコラさんは話していた。

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  • 「ウルスSE」の内装

電動化により新たなドライビングモードが選べるようになった。エンジンとモーターを併用して最も効率的な走行を狙う「HYBRID」や、なるべくモーター(電気)で走ろうとする「EV」などだ。EV選択時に130km/hを超えたり、モーターの能力を超えるトルクが必要になったりした場合にはV8エンジンが稼働するそうだが、そんなシーンにはめったに出くわさないだろう。

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  • コンソール中央にある「tamburo」というセレクターでドライブモードを計11種類から選べる

「ウルスSE」の価格は?

どんなクルマでも、同じモデルにガソリンエンジン搭載車とPHEVがラインアップされる場合は、PHEVのほうがけっこう高くなるもの。ところがウルスSEは「3,150万円くらいから」(ランボルギーニ・ジャパンのマーケティング担当)という価格設定になっている。ウルスのガソリンエンジン搭載車である「ウルスS」と同じくらいの値段であり、3,700万円以上の「ウルスペルフォルマンテ」と比べればけっこう安い。どうしてこういう価格設定にできたのかは結局のところわからなかったのだが、ランボのPHEVにしては意外に安いと思った。ウルスSEの納車は2025年に始まるそうだ。

ちなみに、ウルスのガソリンエンジン車はそのうち生産終了となるため、ウルスのラインアップはPHEVに一本化されることになる。