ランボルギーニの初代「ディアブロ」を「レストモッド」した世界限定19台のレア車が日本に上陸した。サンマリノ共和国の「Eccentrica」が手掛ける限定モデルだ。初代ディアブロはどんな変身を遂げたのか。実物を見てEccentricaの担当者に話を聞いてきた。
ほぼフルレストアで性能が向上!
ベースとなっている車両はディアブロの「第1世代」(ファーストエディション、1990~1994年)。Eccentricaにもらったスペックシートによると、全部で900台しか生産されていないレアなクルマだという。「レストモッド」(restomod)は「レストア」(restore)と「モディファイ」(modify)を組み合わせた言葉らしい。
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「BINGO SPORTS TOKYOショールーム」(東京都千代田区)で実施された「Eccentrica」ジャパンローンチイベントで撮影。ボディカラーや内装の素材・色などは発注時にカスタマイズすることが可能だ
Eccentricaの担当者によれば、ディアブロのレストモッドでは「このクルマのヘリテージに敬意を払いつつ、技術的なモダナイズを施しました」とのこと。ベース車両から引き継いでいるのはドア、ウィンドシールド(フロントガラス)、エンジン、シャシーくらいで、ギアボックスやクランクシャフトなど、たくさんのパーツをアップデートしてあるという。5.7LのV型12気筒エンジンはオリジナルだが、しっかりとリフレッシュしてあるそうだ。
第1世代のディアブロは後に登場した「ディアブロGT」と比べると、かなりの「技術的な隔たり」があると担当者。ディアブロGTは「史上最高のクルマのひとつ」であったのに対し、第1世代ディアブロは「クラッチもステアリングも硬くて、運転するのが難しいクルマでした」とのことだ。そのギャップを埋めるべく、徹底的なレストアを実施したのが今回のレストモッドモデルである。
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説明文によると、刷新・アップグレード・カスタムを施した部分はサスペンション、ブレーキシステム、ボディ(カーボンファイバーを使用)、ホイール、排気系、シャシーなどなど多岐にわたる。ボディサイズは全長4,437mm、全幅2,143mm、全高1,114mmだ
もともとは「ポップアップ」のヘッドライト(点灯する際にパカッと開くタイプ)が付いていたが、それだと認証がとれないということでレストモッドモデルには「ポップダウン」という仕組みを採用している。消灯時はライトの下の部分からカバーがせりあがってくる。片方だけカバーを上げて「ウインク」の状態にすることも可能だ
インテリアは90年代の雰囲気
インテリアには、レストアというよりもモディファイの領域に属する変更が施してある。「プラスチック感があってけっこうチープな感じだった」(Eccentricaの担当者)という第1世代ディアブロのダッシュボードは、レトロフューチャーな感じでデジタル化。見方によっては「平成レトロ」っぽくもある独特な雰囲気となっている。
クルマのダッシュボードがデジタル化し始めたのは1980年代後半から1990年代前半にかけての時代で、このクルマでは当時の雰囲気を感じられるインテリアとしたそうだ。担当者は「オールドスクールなデジタル」と表現していた。1980~90年代の再発見は世界的な流行となっているようだ。
何台売れた?
レストモッド版ディアブロの生産台数は限定19台。価格は120万ユーロ(約1.93億円)以上となる。すでに7台が販売済み、2台はまさに交渉中だそうで、「実質、残りは10台です」とのことだった。ちなみに、2月9日の午前中に聞いたところによると、日本ではまだ売れていない。欲しいと思ったら「Eccentricaのパートナーを務める株式会社BINGOにコンタクトしてほしい」と担当者。今すぐに発注すれば2026年1月くらいには納車となる見込みだ。
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Eccentricaのレストモッド版ディアブロは日本での一般公開を予定している。期間は2024年2月16日から2月18日にかけて、場所は「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS」(東京都江東区)だ
Eccentricaでは今後も、ディアブロをベースとするレストモッド車両を制作していく方針だという。