1月クールに放送されたドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS)での好演も記憶に新しい河合だが、“不適切すぎる”と評された彼らの芸に「時代の変遷でなくなっていってしまうもの、という点でドラマに出てくるものに通じるものはありましたね(笑)」と振り返りながら、共感を覚える部分もあったのだそう。

「あそこまでのさらけ出す芸をやる人はどんどん少なくなっていると思うので、(前編に登場した)ディナーショーの映像を見て、そういうものを面白がる人がたくさんいるということにワクワクしました。私も、ちょっと過激な内容の舞台をやったり観たりしているときに、同じような気持ちになることがあるんです。“時代に合わせて考えなきゃいけないことはたくさんあるけど、結局みんな笑っちゃってるし、驚いちゃってるんだから、今だけはこの空気が劇場の中だけで、世の中に見つからないでほしい!”と思うときがたまにあって(笑)。電撃ネットワークを見ている人たちもそういう気持ちなのかなと思いました」

それだけに、「南部さんが亡くなったニュースを知った後、その後どうなっていくんだろうと考えたことはなかったので、残ったメンバーの皆さんでどうにか続けてほしいと思いました」と願う。

今回の番組では、その命運を握る若手メンバーたちの葛藤にも密着。その中の代表格である“今日 元気”に感情移入したといい、「あれくらいのカリスマというか、絶対的な存在でグループの色や歴史を作った人がいると、それを2代目でやっていくのは絶対に大変だと思います。私たち役者が個人戦だとしたら、団体戦の難しいところだなと思いました」と受け止めながら、「仲間がいる感じは、すごくうらやましいところですね」と憧れもあるようだ。

  • スタージでの南部虎弾さん (C)フジテレビ

波長が合った夫婦関係…先立たれた妻に心痛

南部さんが、由紀さんという献身的なパートナーと結ばれたことには、「南部さんが激しいのに、奥さんはこれまで表に出てこなかった正反対の方なので、“激しい同士じゃないんだ”と意外だったんです」としながら、「私たちは今の年齢からの2人しか見ていませんが、これまでにいろんな道のりがあって、今の温度感の2人になっているのだろうし、すごく波長が合ったんだろうなという感じがしました」と想像する。

それだけに、「あんなに強烈な人生を送っている方の隣に、18歳の時からずっと一緒にいたのが、急に亡くなってしまったらどういう気持ちなんだろう…と考えながら見ていました」と、心を痛めていた。

  • 南部虎弾さん・由紀さん夫婦 (C)フジテレビ

●河合優実
2000年12月19日生まれ、東京都出身。19年にデビュー。21年、映画『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』などの演技で、第64回ブルーリボン賞新人賞などの賞に輝いた。その後も、『ある男』『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』(22年)といった作品で多くの受賞歴がある。23年、連続ドラマ初主演を務めた『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK BSP)がギャラクシー賞テレビ部門の7月度月間賞と23年度奨励賞を受賞。24年1月期放送のドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)で話題を集め、坂東龍汰とW主演の『RoOT / ルート』(テレビ東京ほか)で地上波連続ドラマ初主演を果たす。