アーティストとしても俳優としても活躍を続けているEXILE/三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典。現在放送中の連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)では、伊藤沙莉演じる主人公・猪爪寅子と交流を深めていく明律大学の学生・花岡悟役を演じ、熱い視線を浴びている。朝ドラ初出演となった岩田が、現場での撮影エピソードや役への思いを語ってくれた。
本作は、日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった三淵嘉子さんをモデルとする主人公・猪爪寅子とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追いつめられた女性たちを救っていく物語。岩田演じる花岡は、とても社交的で女子学生たちにモテモテの人気者だが、あることがきっかけで寅子と急接近していくという重要な役どころとなる。
朝ドラ初出演が決まった時の心境について、岩田は「僕は幼少期から朝ドラが生活の一部だったような家庭で育ちましたので、きっと両親がすごく喜んでくれるだろうなと素直に感じました」と笑顔で語る。
「あとは周りの友人やプロダクションの先輩方から『本当におめでとう』と言われました。ドラマの出演が決まった時、『おめでとう』と言われることは通常ないのですが、みんなが共通して『おめでとう』と言ってくれたので、朝ドラの影響力の大きさを身をもって感じました」
実際に朝ドラの現場に参加して岩田が驚いたのは、毎週、撮影前にリハーサルをすることだった。
「他局ではないことだったので大きな違いだと思いました。稽古をやってから当日の本番となるので、ほかの連ドラよりも工程が多いという意味では、すごく丁寧に作られているんだなと思いました。また、セットでの撮影はカメラの台数が多く、本番はほぼ一発勝負でどんどん進んでいくので、意外と撮影は早いなと思いました」
演じる花岡については、「基本的には男尊女卑の時代だったので、そういうバックブランドを背負いつつも、女性に対しては優しさを見せる一面もあるのかなと」と捉えている。
「だから寅子たちのように女性が夢を追いかける姿を純粋に応援したいという本心もありつつ、学校内でのヒエラルキーでいえば彼はカースト上位の生徒だと思うので、男としてのプライドというか見栄も張りたいわけです。そこを守りながら、寅子たちと付き合っていかなければならない。女性陣から見れば、実際の本心はどうなのか、ちょっとミステリアスなキャラクターとして捉えられたいなという思いで、役と向き合ってきました」
モテモテの人気者役には共感せず「恋文をもらうことなんてなかった」
役との共通点について聞くと「奇遇にも、僕自身も大学で法学部でした。政治学科だったので、法律は専門で学んできた分野ではなかったのですが、法を扱うドラマに出演できて、しかも朝ドラ初出演でということに、とても縁を感じました」と言う岩田。常に学生たちの輪の中心にいる人気者である点も、まさに岩田そのものであるように思えるが、「確かに今回、そういった描写が多いです」と微笑みながら、「でも僕は男子校で、恋文をもらうことなんてなかったので、そこに共感することはなかったです。どちらかといえば、羨ましいなと思いながら演じていました」と語る。
現在35歳の岩田。花岡役で詰め襟の学生服姿を披露し、「久しぶりに学ランを着て、懐かしい気持ちになりました」としみじみ。
「なかなか日常ではもう学生服を着ることはないし、いまだに学生役を演じられるのは、本当に役者冥利に尽きるのかなと。時代背景も違うから意外と成立したのかなとも思いました。また、学校のセットが階段教室になっていましたが、通っていた大学のキャンパスも同じような感じだったので、そこも懐かしい感じがありました」