俳優として映画やドラマ、舞台と幅広く活躍している瀬戸康史。TBSの新火曜ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』(毎週火曜22:00~)では生見愛瑠演じる主人公・緒方まことの自称“元カレ”西公太郎役を演じている。いきなり記憶喪失となり、悩みながら自分探しをしていくまことについて、10~20代の頃の自分自身を重ねたという瀬戸が、当時を振り返りつつ、本作への思いを語った。

  • 『くるり~誰が私と恋をした?~』西公太郎役の瀬戸康史

プライベートでも会社でも人に嫌われないように素の自分を見せず、悪目立ちしないように生きてきたまこと。しかし、ある事故ですべての記憶を失ってしまう。まことはカバンの中に入っていた男性用の指輪を手掛かりに、“恋の相手”と“本当の自分”を探していく。瀬戸のほか、神尾楓珠、宮世琉弥も恋の相手候補の役を演じている。

本作は、『ダメな私に恋してください』(16)や『初めて恋をした日に読む話』(18)、『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(22)の吉澤智子氏によるオリジナル脚本だが、瀬戸は「主人公が記憶喪失になり、タイプの違う男性が3人出てきます。ラブコメ要素としてもすごく面白いと思いましたし、そこにプラスしてミステリー要素も加わってきますが、いろんな意味でドキドキする作品だなと思いました。また、オリジナル作品で、僕たち自身もこの先、どうなっていくのか全くわかっていないので、次の台本が早く来ないかなと毎回ワクワクします」と感想を語る。

主演の生見については「皆さんが思っているとおりの明るい方ですが、それだけじゃなくて、人間力がすごいです。やはり主演ということで、台詞の分量がかなり多いのですが、疲れている様子なんて一切見せず、いつもフラットにいてくださるので、現場の士気がすごく上がるし、スタッフさんも彼女の明るさから、毎回プラスのエネルギーをもらっている感じがします」と心から称える。

若手時代は「人に好かれようとして、かなり無理をしていた」

瀬戸は番組放送前のオフィシャルコメントで「記憶を失ってしまって、本当の自分って何なんだろうと悩む姿は、僕自身が10代、20代の時にみんなに好かれよう、嫌われたくないといい顔をして悩んでいた当時の思い出がフラッシュバックしました」とも述べていた。

瀬戸といえば2006年に『ミュージカル・テニスの王子様』で菊丸英二役を演じて注目され、2008年に『仮面ライダーキバ』の主人公・紅渡こと仮面ライダーキバ役に抜てき、さらに同年テレビドラマ版『恋空』で主人公・ヒロ役を演じるなど、まばゆいスポットライトを浴びてきた。その後も着実にキャリアを積んできたが「当時は仕事において、誰が売れて誰が売れてないとか、人と自分を比べたりしていました。また、人に好かれようとして、かなり無理をしていたことをどこかのタイミングで知ったというか、自覚したんだと思います」と過去の自分に思いを馳せる。

さらに、「人と比べることにくたびれちゃったのかもしれません。そこから自分自身をもっと大切にしたいと思うようになったというか、嘘をつかずに生きていきたいと、いつの日からか変わっていった感じです。具体的なきっかけはないのですが、きっといろんな経験を積んで、歳を重ねたということなのだと思います」と冷静に分析した。

記憶を失ったまことが改めて自分自身と向き合うことについても「1回自分をフラットにするという設定が面白いなと思いましたし、自分を見つめ直そうよというメッセージ性としてもとてもいいなと感じました」とポジティブに受け止め、「何よりもまことを見て自分もそうありたいと思う点は、彼女は落ち込むこともあるし、一瞬ネガティブになりそうにもなりますが、実際にはそうならないというところです。もちろんいろんな人の助けや支えもありますが、彼女自身がポジティブ思考な気がします。僕自身もそうありたいと思いながら生きているのですごく共感しましたし、自分で自分を鼓舞することはとても大事なんだなと改めて思いました」と語る。

また、「僕自身ももちろん落ち込むことはありますが、根がポジティブなので、何かあったとしても、あまり引きずってもしょうがないから、次に行こう! と切り替えるタイプです。そういう意味でも、まことにはめちゃくちゃ共感できました」と続け、「きっとまこと役を演じる生見愛瑠さんもそういう人間なんじゃないかと。“陽のマインド”でできているような気がします」と述べた。