「正義が本当に正義なのか、悪が本当に悪なのか」を問いかける本作。長谷川は、正義と悪をはっきり区別できないのではないかとも感じているという。

「法治国家だと法律で決まっていることに従いますが、傍聴していてもその辺がちょっと複雑な気持ちになりました。正義という言葉も深く考えると複雑ですし、そう考えたら悪というのも単純に悪と言えるのかという風になって、そうすると深みにハマってしまう。だから、いろんなことを考えました。人間は本能もありますが、その本能をダメとするものもある。その辺がわからなかったです」

そして、自身が演じる主人公について「正義だと思っていながらも、本当にこれは正義なの? とみんなが思っていることはたくさんある。そういうのを僕のキャラクターがバッと世にさらすような痛快感はあるかもしれません」と言い、「むしゃくしゃするものをスパーンとやってくれるキャラクターにしたいなと。よくわかんないな、これどっちなんだろうというのを、はっきりさせてくれるキャラクターにしたいと思っています」と語った。

「若手の姿を見て得られるものはたくさんある」

同僚弁護士役の北村匠海と堀田真由とは、どちらも8年ぶりの共演。「2人ともやはり素晴らしいですよ。現場も和やかですし、けっこう年は離れていますが、すごく支えてもらっていて助かります」とほほ笑む。

そして、2人とも大人になったなと実感しているという。

「初めて会った時、10代でしたので。みんなこういう世界で揉まれていくと、そうなってくんだなと。匠海くんに関しては生徒(役)だったので、なんとなく今でも先生みたいな感じになってしまいますが、今回はまた全然違う関係性ですし、僕も刺激をもらっています」

また、「2人もそうですが、今の人は(お芝居が)うまいですよね。普通にさらっとやられますよね」と演技を称賛。若手キャストを見ていると時代の変化も感じるそうで、「時代が求めるものがあると思うので面白いです。世の中の流れとかいろいろもらっている感じで、若手の姿を見て得られるものはたくさんあるなという気がしています」と語る。

パラリーガル役で大島優子も出演。若手が多い現場となり、「いつの間にか僕もそんな風に。みんな年下になってしまって。いつも先輩に『すみません!』みたいな感じで、よく怒られていたのに、いつの間にかそういう風に変わっているというのがびっくりします」と驚きを口に。

本作には、弁護士事務所で飼っているゴールデンレトリバーのミルも登場。「ミルと休憩中に遊んだりして癒やされています」とにっこり。また、「いろんな人がいろんな差し入れをくれるんです。法廷用語をずっと言っているとものすごく糖分が欲しくなって、そういう時に差し入れを食べるとすごくリフレッシュできます」とも話した。

最後に視聴者にメッセージ。「共に謎を解いていくような楽しさはあるし、言ってほしいことを言ってくれる時もあるし、日曜劇場らしい痛快さもあると思います。皆さんに楽しんでもらうためにスタッフと僕ら出演者で全力で頑張って、いろいろ試行行錯誤しながらやっているので、楽しみにしていただけたら。少し変化球もあるかもしれませんが」と魅力をアピールした。

■長谷川博己
1977年3月7日生まれ、東京都出身。2001年、文学座付属演劇研究所に入所。2002年に『BENT』で舞台初出演。2008年に『四つの嘘』でテレビドラマ初出演。2010年にNHKドラマ『セカンドバージン』で注目を集め、2011年にテレビ東京『鈴木先生』で民放テレビドラマ初主演。近年は、映画『シン・ゴジラ』(2016)で主演を務め、2018年度後期のNHK連続テレビ小説『まんぷく』で主人公の夫を演じ、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』では主人公・明智光秀を演じるなど、数々の話題作に出演している。

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