1998年の夏に放送された反町隆史主演ドラマ『GTO』が、26年の時を経て、新作スペシャルドラマ『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ系 4月1日21:00~)として復活する。今作で、反町演じる元暴走族の高校教師・鬼塚英吉が赴任するのは、私立相徳学院高校。暴露系インフルエンサー“裁ノカ笑”が教師や生徒を何人も炎上させており、皆、疑心暗鬼になりながら学校生活を送っている。

八木莉可子が演じるのは、私立相徳学院高校で、鬼塚が副担任を務める3年1組の生徒・市川すずか。クラスでは優等生キャラだが、2人で暮らす仕事一筋の父・市川晃一とはうまくいっておらず、会話をしないという“事情”を抱えたキャラクターだ。2001年生まれで、1998年の放送時にはまだ生まれていなかった八木だが、『GTO』にどんな印象を持ち、どんな思いで今作に臨んだのか、話を聞いた。

  • 八木莉可子

    八木莉可子 撮影:宮田浩史

“GSY”と名乗っていた学生時代

――反町さんが鬼塚先生を演じる『GTO』が放送されていたのは八木さんが生まれる前ですが、作品の印象を教えてください。

放送時には生まれていなかったのですが、小学校の頃に再放送で見て、配信でも繰り返し見た作品です。『GTO』という言葉自体にインパクトがあるので、学生の頃には、“GSY=グレートスチューデントヤギ”と自分の呼び名をつけて遊んでいたぐらい、私の世代も皆知っている伝説の作品だと思います。

八木莉可子

――そんな伝説の作品に出ると発表されて、周囲の反応はいかがでしたか。

私の出演が発表される前から、私のまわりでも「『GTOリバイバル』やるんだね」「反町さんの鬼塚先生が帰ってくるんだ」と、自然と話題になりました。まだ私の出演が発表されていないときは、「何も言えない!」と思いながらも、「楽しみだね」と返事をしたりして(笑)。発表後はもちろん両親も喜んでくれましたし、友達や、当時『GTO』をリアルタイムで見ていた業界の方々に「すごく楽しみにしています」と言っていただけました。やはり、反響がすごく大きかったです。

――今回八木さんが演じるすずかがどんなキャラクターか、教えてください。

学校では優秀な生徒なのですが、実は家庭でお父さんとうまくいってなくて、心にちょっと闇を抱えている女の子です。どこか愛情が欠けていて、成長しきれていないように感じました。自分の決めたことに真っすぐ突き進んでいける、ピュアで健気な一面もあって。私も白黒はっきりつけたがるところがあるので、そこは似ているかもしれません。

  • 八木莉可子

    『GTOリバイバル』より=カンテレ提供

反町隆史から直々に役作りへのフォロー

――主演の反町さんとは、現場でどんなお話をされましたか。

役について、たくさんお話ししました。台本が、最後の最後まで修正が加わったりと練りに練られていたこともあって、反町さんが直々に「きっとすずかはこういう気持ちなんじゃないかな」、「ここ、やりにくくない?」とフォローするようにたくさん聞いてくださって。私も自分の考えをお話しして、ディスカッションを重ねながら一緒にシーンを作らせていただきました。

――たくさんお話をして、丁寧に作っていったんですね。

反町さんは監督ともものすごくたくさんお話をされていて、『GTO』という作品にこれほどまでに熱い思いで臨まれているんだなと。その背中が鬼塚先生と重なって、現場ではずっと反町さんが鬼塚先生に見えていました。

  • 八木莉可子

気合いの入るシーンの前日に異変

――反町さんに以前インタビューさせていただいたときも、『GTOリバイバル』を作るうえで、“熱さ”を一番大切にしたいとおっしゃっていました。八木さんも、反町さんの熱さに心動された瞬間はありましたか。

「頑張らなきゃな」と気合いの入る、自分にとって一番難しいシーンの前日に、熱が出ちゃったんです。体調は悪くなくて、あまりに考え込みすぎたことが原因だと思うんですけど。でも、鬼塚先生が私の肩に触れるシーンを撮ったとき、その手にものすごく力がこもっていて、鬼塚先生のパワーを感じたんです。鬼塚先生に引っ張られて、私も「すずかの気持ちを作る」ではなく、「自然とすずかとしての感情が湧いてくる」ようになって。鬼塚先生そのものである反町さんのおかげで私もすずかとして生きられたなと、すごく感謝しています。

――それほど八木さんも熱く臨んでいたんですね。

自分もいちファンとして見ていた歴史ある作品で、皆さんがものすごく熱い思いを持っていらっしゃるので、自分が台無しにしちゃいけない、自分も頑張って応えたいと気合いが入りすぎたのか……熱が出てしまいました(笑)。