昨年来、テレビ界を大きく揺るがせているジャニーズ喜多川氏による性加害問題。被害者への補償や事務所の新体制構築の進捗に伴い、旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)所属タレントの出演番組の動向に注目が集まっている。
NHKはEテレ、BS、ラジオで計8本の番組を終了させることを発表したが、日テレは嵐・櫻井翔の『1億3000万人のSHOWチャンネル』、所属タレントが主演を務めてきたドラマ枠「シンドラ」が終了。テレ朝はTOKIO・城島茂の『週刊ニュースリーダー』が終了。フジは、TOKIOの『トキタビ』に『KinKi Kidsのブンブブーン』『SUPER EIGHTの あとはご自由に』が終了する(Hey! Say! JUMPは『いただきハイジャンプ』終了で、深夜に新番組スタート)。
同事務所所属タレントの起用の考え方について、日テレの江成部長は「STARTO ENTERTAINMENT、SMILE-UP.の取り組みを注視しながら、適切に判断していく姿勢には変わりはありません」とした上で、系列の読売テレビ制作の新ドラマ『約束 ~16年目の真実~』にSUPER EIGHTの横山裕が出演することについて「新規起用」と説明。
テレ朝の河野部長は「タレントさんに問題があるとは認識していませんので、これまで通り企画内容を踏まえて、総合的に判断していくことに尽きる」、TBSの渡邉部長は「キャスティング等々に関しては粛々と続けていく」「番組制作の立場で言いますと、推移を見守っている段階。今の段階で方針の変更はありません」とコメント。
フジの立松局長は「総合的な判断で改編作業を行っております」とし、元所属タレントの山下智久と錦戸亮が新ドラマに起用されていることに関しても「ドラマのキャスティングに関しては、何よりも現場の意向が重要になっています」と強調した。
原作者らと「より緊密に」「丁寧に会話」
年明けのテレビ界を揺るがせたのは、原作者の急死という悲劇のきっかけとなった、日テレのドラマ『セクシー田中さん』の脚本作成過程をめぐる問題。
この件を受け、テレ朝の河野部長は「ドラマの制作に携わる方すべてにおいて、原作者、脚本家、我々制作幹部、スタッフなど様々なレイヤーで、より緊密にコミュニケーションを取って、丁寧に作品を作っていくことを確認しました」、テレ東の工藤仁巳コンテンツ編成部長は「これまでもドラマプロデューサーから原作サイド、出版社と丁寧にお話ししてきたつもりですが、今一度改めてこれまで以上に丁寧に話をして、お互いの理解と納得の下やっていくという方針の確認はしました」、フジの中嶋部長は「原作のあるものを映像表現をするときには、ディレクター、プロデューサー、役者さんなどいろいろな思いが詰まって制作するわけですが、きちんと原作者さん、出版社さんにご理解いただけるように、丁寧に会話していくことに尽きると思っております。これを4月以降も、先々のドラマ、映画、アニメに関して実行していきたいと思っております」とした。
当事者である日テレの江成部長は「原作者である芦原妃名子さんに哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げたいと思います。今回の事態については、大変厳粛に受け止めております。現在客観性を持って検証すべく、調査チームを立ち上げております」とした上で、「ドラマに関する全ての皆様が安心して制作に臨める体制を作っていきたいというところで今進めております」とコメント。
土曜22時のドラマ枠は、小学館原作の映像化を予定していたが、「『セクシー田中さん』の件を受け、総合的に判断した結果で、企画を変えるというところに至っております。小学館と話し合いを持ち、今回制作を見送ることになったという形になっております」と改めて説明し、別作品を4月中から放送スタートする方向で「調整中」としている。