民放GP帯連続ドラマとして史上初となる、ヒロインの相手役に韓国人俳優を迎えたTBS系火曜ドラマ『Eye Love You』(毎週火曜22:00~)。ヒロイン・本宮侑里演じる二階堂ふみと、日本の大学に留学している韓国人大学生ユン・テオ扮するチェ・ジョンヒョプのコミカルかつファンタジックなラブストーリーは、放送が進むにつれ大きな盛り上がりを見せている。本作の中島啓介プロデューサーが、企画意図や二階堂らキャストたちの魅力について語った。

  • 『Eye Love You』本宮侑里役の二階堂ふみ(左)とユン・テオ役のチェ・ジョンヒョプ

二階堂ふみの演技の振り幅、チェ・ジョンヒョプの表情を絶賛

心の声が聞こえる“テレパス”を持つ主人公と、超ストレートな年下韓国人男性との恋物語。本作は、脚本家の三浦希紗氏、山下すばる氏によるオリジナルストーリーだ。中島プロデューサーは「ここ数年、日本における韓国ドラマファンも増えていますし、私の周りでもこのドラマのように韓国人の方とお付き合いをされている人も結構いたので、ある意味で国籍が違うという垣根が、以前よりなくなってきたのかなと思ったんです」と企画の発端を述べる。

また、「これまで地上波でも単発ドラマとして日本人俳優と韓国や中国の俳優さんとの共演というのはあったと思いますが、連続ドラマではなかった。新しいドラマを作れたら」と局にも掛け合い、好意的な感触を得られたことで企画がスタートしたという。

二階堂の起用理由については「もう皆さんもご存じだと思いますが」と前置きすると「とんでもなく芝居がうまい。コミカルからグッとくるエモーショナルなシーンまで振り幅がすごい」と前提として演技のうまさを挙げる。

さらに中島プロデューサーは「外国の方と連続ドラマを作るというのは、我々にとってもはじめての経験。正直、企画の最初の段階では、チェ・ジョンヒョプさんが演じるということも決まっていなかった状況のなか、どんな方になってもしっかり対応していただける度量というのも必要なキャスティング要素でした。その意味でも二階堂さんは、こうした試みに『面白い』と感じてくださっていたので、とてもありがたかったです。実際現場に入っても、二階堂さんだからこそうまく回っていると感じる場面はたくさんありました」と語る。

芝居に対しても「設定的にファンタジックなストーリーなので、下手をすれば現実離れしたおとぎ話みたいになりかねないなか、もしかしたら存在するかも……という主人公を、リアリティを持って演じてくださっています」と二階堂を絶賛する。

一方、チェ・ジョンヒョプについては「まずはこのチャレンジに参加していただけたということに感謝です」と述べ、「日本語のセリフを覚えることだけでも大変なのですが、そこに気持ちを乗せて演じるというのはかなりの努力が必要になる」と難役であることを強調する。そんななか、「最初日本語はほぼ話せない状態だったのですが、かなりのスピードで上達されてお芝居もしっかりと感情移入できるものにしてくださっています」と想像以上に高いパフォーマンスを発揮していると言い、「表情の振り幅が大きく、いろいろな変化を視聴者も楽しんでいただけていると思います」と素晴らしいポテンシャルを披露しているという。

日本的“胸キュン”とは違った“韓国的キュン”へのこだわり

地上波の放送がスタートすると同時に、Netflixで、全世界にも配信が始まった本作。視聴数は非常に高く、国内外からも大きな反響が巻き起こっていることが、報道されている。

中島プロデューサーは「ヒロインの相手役を韓国の方にやっていただくという連続ドラマはこれまでなかったので、正直どんな反応か起こるのか想像できなかった」と正直な胸の内を明かすと「韓国では1週遅れで配信されていますが、韓国のNetflixでもトップ10に入っているようで。韓国の女性も侑里とテオとの掛け合いを『かわいい』という気持ちで観てくださっているみたいですね」と胸をなでおろす。

また数多く登場する胸キュンシーンについても「今回は韓国人プロデューサーさんを始め数名の韓国人スタッフも参加いただいて、脚本家の三浦さん、山下さんと共にいろいろなアイデアを皆が出してくれて進めていきました」と語ると「日本のラブコメにある“壁ドン”や“顎クイ”とは違う“韓国的キュン”も楽しんでいただけると思います。チェ・ジョンヒョプさんも韓国人ならではのアイデアを現場で出してくださるので、そういうものも臨機応変に取り入れながら作品を作っています」と説明。チェ・ジョンヒョプが提案した具体的なシーンとして「第1話のラスト近くでテオが、侑里さんが歩いているのを見て『そこのキョロキョロしている、かわいい人!』って叫ぶシーンがあるのですが、あれは台本にもなく、彼ならではのアイデアだなと思いました」と語っていた。

中川大志&山下美月の演技にも太鼓判

二階堂、チェ・ジョンヒョプ以外にも魅力的なキャラクターが多数登場する本作。侑里のビジネスパートナー・花岡彰人を演じている中川大志について「花岡はストレートに感情表現するテオとは対照的に、自分の気持ちを犠牲にしながらも相手を思うタイプ。秘めた思いを伝えない優しさを表現するキャラクターを演じさせたら抜群にうまい」と絶賛すると「シリアスな芝居だけではなく、テオが入ってくることでちょっとドタバタしたコミカルな感じも中川さんは素晴らしい。さすがにドラマ以外にもコントやバラエティで活躍されているだけのことはあります」と緩急自在な芝居に満足しているようだ。

侑里と花岡と共に会社を立ち上げた職人・池本真尋を演じている山下美月については「真尋は、後輩なんだけれど割とズケズケものを言うキャラクターで、恋愛マスターという触れ込みですが、4話ぐらいから雲行きが怪しくなる。ちょっと勘違いしたようなコミカルな芝居も、とても上手に演じてくださっています。今後(清水尋也演じる)小野田とのチグハグな関係性にも注目していただきたいです」と語っていた。

中島プロデューサーは第6話について「第1章といいますか、ここで一つのクライマックスを迎えます」と述べ、「第5話のラストがあって、さらなる展開として舞台が北海道になります。そこで物語のカギとなるラッコが生息する場所も出てきます」とネタバレギリギリの展開を発表。

北海道の大自然や美しい景色も見どころだと言うと、「これは世界で配信されるという部分も意識しています」と前半のクライマックスは大迫力の映像と共に届けられるという。「素晴らしいキャスト陣と共に、演出・技術・美術、全てのスタッフが1カット、1カット一生懸命に愛情を詰め込んだ『Eye Love You』を是非これからも楽しんでいただけたらと思います」と語った。

(C)TBS/撮影:高橋裕子