フジテレビでは、「FNNプライムオンライン」事業をさらに推進することを目的に、昨年7月の組織改編で「総合報道戦略局」を新設。これにより、従来の報道局や情報制作局だけでなく、社内の様々な部署と連携を進めていく方針が打ち出され、まずは国際局が各国駐日大使館とのコラボ企画を展開する「World Buzz Channel」の動画を「FNNプライムオンライン」のYouTubeチャンネルにも掲載を始めた。今後も、「フジテレビ内のいろんなチャンネルと連携しながら、相互に盛り上げていきたい」と展望を語る。
他にも、「政治のニュース」「アメリカのニュース」「報道カメラマンの動画」「芸能のニュース」など、ニュースをジャンル分けしてターゲットを絞ったサブチャンネルを多数設けるなど、様々な工夫を行っている。
テレビ局の機動力を生かした、緊急ニュースのライブ配信にも注力。総理大臣、旧ジャニーズ事務所、日本大学、大谷翔平選手といった注目の記者会見のほか、1月1日の能登半島地震の際は地上波の報道特番を同時配信し、全国ネットの放送が21時すぎに終了すると、以降は被災地で特番を続ける石川テレビの放送を受けて深夜まで配信を続けた。
お金と人をかけて取材した映像を放送で届かなかった人へ
今後の展望を聞くと、「現段階ではわりと絞られたターゲットに向けて配信している感触があるので、これをどこまで広げられるか。探りながらの状態ではありますが、1つの課題だと考えています」と説明。
また、このYouTubeチャンネルに限らず、「TVerやFODなど、様々なプラットフォームがある中で、放送した素材をどれだけいろんな場所に出していけるのか、どういうすみ分けが必要になってくるのかというところも、考えていかなければなけないと思います。地上波チームが多くのお金と人をかけて取材し作ったいい映像が、1回の放送で終わってしまうのはもったいないですから、放送した時に届かなかった人にどれだけフォローしていけるかを目指したいと思います」と使命を述べた。
●瀬井貴之
1973年生まれ、新潟県出身。05年フジテレビジョンに入社し、CG部門に配属。15年に報道局へ異動し、ニュースサイト「ホウドウキョク」を担当。現在は、総合報道戦略局マルチメディア推進部部長職として、「FNNプライムオンライン」のYouTubeチャンネルなどを担当する。