愛知環状鉄道は、2025年春の実施に向け、12月20日付で国土交通省中部運輸局長に鉄道事業の旅客運賃の改定に関する認可申請を行ったと発表した。認可された場合、普通旅客運賃について30円から最大100円の値上げを実施する。

  • 愛知環状鉄道は岡崎~高蔵寺間で列車を運行している

改定後の初乗り運賃(営業キロ1~3km)は現行の180円から210円に値上げされ、営業キロ4km以上の区間も距離に応じて段階的に値上げ。営業キロ26km以上の運賃は一律100円の値上げとなる。通勤定期(大人1カ月)は1,100~3,970円の値上げ、通学定期(大人1カ月)は240~1,140円の値上げを予定。全体の改定率は14.3%で、このうち定期外の改定率は16.4%。通勤定期の改定率は15.1%、通学定期の改定率は5.0%とされている。

今回の申請の理由として、テレワークの定着などによる輸送人員の減少、電気料金・資材価格等の高騰による経費増加に加え、線路設備・電気設備の老朽化対策や更新などに多額の費用が見込まれると説明。「安全かつ快適な輸送サービスを提供し続けるため」に必要な値上げであるとして、理解を求めている。

同社の試算によれば、運賃改定を行わない場合、2025年度から3年間で鉄道部門の収支が14億6,000万円近い赤字になる見込み。運賃改定を行うことで、赤字を2,600万円台に圧縮でき、収支率を89.3%から99.8%に改善できるとしている。