スピークバディは4日、AI英会話アプリ「スピークバディ」に関するメディア発表会を開催した。今後、増えることが予想される生成AIを活用した英会話学習サービス。従来型の「英会話教室」「オンライン英会話」と比較して、どのようなメリットがあるのだろうか? 関係者が解説した。

  • AIは、どのような点で英会話の学習に向いている?

■スピークバディとは

スピークバディは、最新のAI技術を導入した英会話アプリ。iPhone / Android端末から利用できる。AIキャラクターを相手に、英会話を実践できるのが特徴。

スピークバディの差別化要素となっているのが、OpenAI社の提供する文章生成AI技術を活用したフリートーク機能「バディチャット」。AIキャラクターと自由な会話をし、ポイントとなるキーフレーズを含めたやりとりができるとミッションクリアとなる。レッスン後には会話をテキストで振り返り、文法上の間違いがあればAIが指摘(添削)する。

  • アプリの利用イメージ

スピークバディでは、利用者の英会話レベルをAIがチェック。AIが自動でカリキュラムを作成し、発音・抑揚のトレーニングもAIが対応する。

  • バックグラウンドではAIによる高度な処理が行われている

スピークバディ 代表取締役社長の立石剛史氏は、学生時代は英語が大の苦手科目だったと告白する。英語の習得に苦労してきたこれまでの日々については「英会話教室、個人レッスンなど、対人でやれることは何でもしてきました。実にトータルで5,000時間ほどを英語の学習に費やしましたが、AIなしの英語学習は非効率すぎる、というのが持論となりました」と自戒を込めて振り返る。

  • スピークバディ 代表取締役社長の立石剛史氏

  • 立石氏が費やした5,000時間の内訳

■4つの壁を解決するには?

メディア発表会では、生成AI活用普及協会(GUGAGUGA)の森川智貴氏とのトークセッションを通じて、AI英会話アプリのメリットが紹介された。

その冒頭、立石氏は日本人の英語力が低下している現状を報告する。例えばTOEFLの平均点はアジア地域の最低点で、ベトナム、カンボジアにも負けてしまったと話す(2022年TOEFL iBT test scores summaryより)。そして各国の英語能力指数についても、調査対象113カ国中で87位という結果だった(2023年EF Education First調べ)。

  • 一般社団法人生成AI 活用普及協会(GUGAGUGA)協議員の森川智貴氏

これについて、立石氏は次のようにフォローする。「日本語は、英語と真逆の言語なんです。英語を母国語とする人の立場から見てみると、例えばスペイン語の習得にかかる時間は500時間で済むものの、日本語に関しては最難関とされています」。

とはいえ、このまま日本の英語教育の典型である「文法と英単語の組み合わせ」の学習を続けていたのでは今後もしゃべれる人が増えない、もっと実践的に英語を使う場面を増やさないと「理解はしているが使えない知識」のままになってしまう、と指摘。

また別の観点から、日本人の英会話学習には「挫折してしまう4つの壁」が立ちはだかっている、とも紹介する。それは「英会話を学ぶ場所(カフェなど)を探すという課題」「マンツーマンレッスンにつきものの高額なレッスン代という費用の課題」「自身の英語レベルに最適なレッスンを受けられるかという学習効率の課題」「恥ずかしさを克服しなければいけないという心理的不安の課題」、と立石氏。

  • 英会話の勉強が挫折してしまう4つの壁

こうした課題をクリアできるのが、AI英会話アプリだという。「いつでもどこでも学習できる手軽さ、1か月2,500円という料金設定。スピークバディでは利用された8割以上の方がレベルアップできていますし、AIキャラクターが相手なので気を使わずに済みます。いま増えている40~50代の利用者の方たちは『新たに英会話を習い始めるのが気恥ずかしい』という気持ちをお持ちですが、皆さん『でもAI相手なら恥ずかしくない』とおっしゃってくれます」。

  • 4つの壁を解決するAI英会話

ちなみに、過去には様々な英会話教室に通ってきた、と明かす立石氏。教室を変えるとまた同じカリキュラムから再開しなければならないようで、そのため「自己紹介ばかり何度もやるもんですから、早い段階から自己紹介だけは上手くなりました。AI英会話なら、そんな非効率なことも起こりません」と自虐的に話して笑顔を見せる。

■"AI英会話"が主流の時代へ

日本人の英会話学習は「英会話教室」「オンライン英会話」のフェーズを経て、いま「AI英会話」がメインストリームになりつつある、と立石氏。ここ最近だけで"AI英会話"を名乗る競合サービスも10社くらい出てきたという。

今後は、音声認識・会話AIによるスムーズな会話は各社のサービスで違いがなくなる(コモディティ化する)と予想。その上でスピークバディでは、効率的なカリキュラム、楽しく学習できるUX、といった領域で差別化を図っていくと意欲的に語る。例えば、AIキャラクターに魅力的な個性(性格、声など)を持たせるようなアップデートも考えているようだ。

  • 競合他社のサービスとの差別化要素

ところで今、同時通訳のような速さで他言語をリアルタイム翻訳する技術も出てきている。そんな時代に生きながら、なお英会話を勉強することに意義はあるのだろうか。

ゲストの森川氏から、そんな質問を受けた立石氏は「翻訳AIの登場が、英会話の学習ニーズに影響を与えたことは確かです。ハワイに旅行に行くのであれば、そうした技術に頼るのも良いかも知れません。ただ、自分の言葉で話すことで相手の心にこちらの思いが届く、これは今後も変わらないことと思います。ビジネスの現場で信頼関係を構築したいとき、お互いの間に翻訳デバイスやソフトウェアを挟むかどうか。やはり、こちらの熱量、パッションのようなものを言霊に乗せるためには、自力の英会話が必要になるのだろうと思います。もっとも、ドラえもんの"ほんやくコンニャク"の登場を期待する気持ちは理解できます」との認識を示していた。