「もし“推し”が自分の上司になったら……」という夢のようなシチュエーションを描き、話題となっているテレビ東京系のドラマNEXT枠『推しが上司になりまして』(毎週水曜24:30〜/「U-NEXT」では毎週水曜21:00~毎話独占先行配信中)。第1話はTVer再生数が100万界を突破し「オタクに刺さるドラマ」と評判になっている。

主演の鈴木愛理が演じるのは、舞台観劇が生きがいの会社員・中条瞳。最推しの舞台俳優・桐生斗真が突然の引退を発表し、悲しみに暮れていたが、実は本名・高城修一という御曹司だった斗真が突然、瞳の「上司」となって現れる。瞳の上司となって現れる桐生斗真/高城修一を、片寄涼太(GENERATIONS)が演じている。

“推し”がテーマにもなっている作品で、ふだん“推される”立場の2人がどのように感じていたのか。また、「2.5次元俳優」を推す/演じることについて、リアリティを追求するために行ったことなどについても話を聞いた。

■鈴木愛理「演じるごとに『ありがとう』という気持ち

――今回は“推し”がテーマにもなっています。どういう点に気をつけて演じられているのでしょうか?

鈴木:私は8歳の時から誰かに推していただいている状況で活動してきた身なので、ファンの皆さんの気持ちを考えながら活動するというベースが、もともとありました。だから今回の瞳を演じる時にも、ファンの皆さんの顔を思い出して「こういう感じだったんじゃないかな」と体感しながら撮影している感じでした。物語は斗真が2.5次元俳優を引退するところからスタートするんですけど、私も℃-uteやBuono!というグループの解散やラストライブを経験しているので、ファンの方もこんな気持ちになっていたのかな、と。それでも続けて応援してくれてることに感謝しかないと、改めて感じることもありました。演じるごとに「ありがとう」という気持ちを感じる毎日です。染みています。

  • 鈴木愛理

片寄:自分はグループを辞めたりといった経験はないので、斗真という人が俳優を引退するという決意の部分や、それがある意味コンプレックスや悔しさになる部分、でも乗り越える強さもあるところがすごく大事だと思ったので、クランクイン前に自分なりに考え、リサーチをして臨みました。恋愛の部分も、どうして目の前にいる瞳さんが大切に思えたのかに重きを置いて、演じたいなと思いました。

――ちなみに、実際に推している人はいるんですか?

鈴木:back numberさんがずっと好きなんですけど、できるだけ近くに行かなくていいというか、見ていたいというか、もし私のために何かしてくださるならもったいないと思うタイプなので、“推しスタンス”が瞳に似ていて、共感していました(笑)

■2.5次元俳優役の片寄涼太「舞台や映画のDVDをお借りして…」

――瞳の“推し”が2.5次元俳優ということで、いろいろこだわったと聞いています。“あるある”的な部分はどう作り上げていったんですか?

片寄:少しでもリサーチをしたいという思いもありましたし、自分たちがいる世界とも若干違う部分を擦り合わせる時間を作りたかったんです。共演者の高野洸くんなどからヒアリングをしながら、できる限りリアルな部分を大事にしようと、現場に臨みました。

  • 片寄涼太

鈴木:同僚役の方々の中にも、本当に2.5次元作品に通ってる方がいたので、撮影の合間にずっと取材していました。「このペンライトの位置は正解ですか?」とか(笑)。できるだけデリケートに。やっぱりオタクと言われている方々の界隈はすごくこだわりを持って行くし、私もオタク側として他の現場に行く時ってすごくこだわりを持って行きたいタイプなので、寄り添っていきたいと思います。

――リサーチした中で活かしたことや、気になったことはありましたか?

鈴木:服装の雰囲気もあるし、「高すぎるポニーテールは後ろの方に迷惑がかかるからダメ」とか、ペンライトの振り方の位置とか、年代によるファンの居方の違いとか、いろいろありました。部屋に置いてあるグッズも「こういうものが多い」とか、「これは御法度です」とか。ディテールはできるだけ詰めています。

片寄:僕は実際に舞台には行けなくて、知り合いの方に舞台や映画のDVDをお借りして観たのを参考に。あとは舞台のメイキング風景などでも、空気感を掴ませてもらいました。「これはリアルだな」という部分と、「ドラマとして面白そう」という部分のバランスをうまく取りながら演じることを目指していました。

  • 鈴木愛理、片寄涼太
  • 鈴木愛理、片寄涼太

――お二人とも“推される”立場でもあると思いますが、「こういう風に推してもらえたらうれしい」ということはありますか?

2人:え〜!!

鈴木:なんでもうれしいです。

片寄:応援してくれたら、それだけでうれしいし。

鈴木:私は、お手紙がすごくうれしいです。もう、信じられないくらいのお手紙が溜まってます。20年間分! 私の実家の部屋も手紙でいっぱいで、私が入らないぐらい(笑)。デジタルの時代ですけど、温かみを感じるので、うれしいです。

片寄:ファンの方々のコメントで、自分の知らない視点からの良さを知ることができるのは、うれしいです。たとえば番組に出た時に、「ここがいい」というのを教えてもらえると、「あ、そういうところを見るんだ」と新たな発見ができて面白いなと思います。

■鈴木愛理
2002年6月、8歳で「ハロー! プロジェクト・キッズ オーディション」に合格。2005年6月に℃-uteを結成し、2017年まで活動。あぁ!、Buono!としても活動した。2017年12月より、ソロ活動をスタート。女性ファッション雑誌『Ray』の専属モデルや、『オーイシマサヨシ×鈴木愛理のアニソン神曲カバーでしょdeショー!!』、『クラシックTV』のMCも務めている。10月5日よりテレビ朝日系バラエティ番組『お願い! ランキング presents そだてれび「あざとくて何が悪いの?」』の新MCに就任。

■片寄涼太
1994年8月29日生まれ、大阪府出身。2010年に「VOCAL BATTLE AUDITION 2」に参加しファイナリストとなり、2012年からはGENERATIONSのボーカルとして活動。俳優としても活躍し、主な出演作にドラマ『GTO』(14年)、ドラマ&映画『兄に愛されすぎて困ってます』(17年)、ドラマ&映画『PRINCE OF LEGEND』シリーズ(19年~20年)、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19年)、『病室で念仏を唱えないでください』(20年)、『運命警察』(22年)、『波よ聞いてくれ』(23年)、映画『午前0時、キスしに来てよ』(19年)など。2024年1月〜2月に戦国時代活劇「HiGH&LOW THE 戦国」上演を控える。