JR北海道は、2024年春から快速「エアポート」を増発すると発表。あわせて日中時間帯(9~16時)の「エアポート」を特別快速・快速・区間快速の3種別とし、千歳~北広島間の普通列車を区間快速に置き換えると発表した。千歳線の運行体系が大幅に見直しとなる。

  • 千歳線を走る快速「エアポート」

快速「エアポート」は新千歳空港駅から千歳線・函館本線経由で札幌・小樽方面へ向かう列車。現在、朝の札幌発新千歳空港行2本、夜間の新千歳空港発札幌行2本を特別快速とし、他の「エアポート」はすべて快速として運転。日中時間帯、新千歳空港~札幌間で毎時5本を設定している。

千歳線の普通列車は現在、日中時間帯に苫小牧駅または千歳駅から札幌方面へ毎時2本程度を設定。千歳駅や北広島駅などで札幌方面の快速「エアポート」から普通列車へ乗り換えられる。

JR北海道は11月15日の発表で、インバウンドの回復等により今後も新千歳空港の利用者増加が見込まれることから、空港アクセス輸送を強化すべく、2024年春に快速「エアポート」を増発すると説明。空港アクセス利用のさらなる増加が見込まれる日中時間帯、「エアポート」を現行の毎時5本から毎時6本に増発し、うち1本を特別快速、3本を快速、2本を区間快速として運転する。区間快速は新千歳空港~北広島間の各駅に停車するため、快速が通過していた長都駅、サッポロビール庭園駅、恵み野駅、島松駅へ、新千歳空港駅から乗換えなしで利用できるようになる。

一方、日中時間帯の普通列車に関して、千歳~北広島間の普通列車を区間快速に置き換えるとともに、北広島駅から札幌方面の普通列車を毎時2本、苫小牧方面から千歳駅へ乗り入れる普通列車を毎時1本程度運転することも発表している。

  • 札幌方面から苫小牧駅発着で運転される731系の普通列車

JR北海道の発表をもとに、日中時間帯に運転される新千歳空港~札幌間の快速・普通列車を現行ダイヤと比べた場合、「エアポート」の増発で新千歳空港~南千歳間などの本数は増えるものの、千歳~北広島間は現行の毎時7本(「エアポート」5本、普通列車2本)程度から、2024年春以降は「エアポート」のみ毎時6本(うち1本は特別快速。千歳~北広島間は全駅通過)に。快速停車駅である恵庭駅の停車本数が現行の毎時7本前後から毎時5本になるなど、減便が見込まれる状況となった。

新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う利用の回復等により、快速「エアポート」も利用者が増加。今夏は新千歳空港駅を発車する時点で座席がほぼ埋まり、札幌駅まで車内が混雑する場面も見られた。普通列車は快速「エアポート」より時間がかかる分、車内は比較的空いていたが、2024年春から区間快速の「エアポート」が運転され、千歳~北広島間から普通列車がなくなり、本数自体も減る見込みとなったことで、同区間の混雑が増して着席機会が減り、利便性が低下することも考えられる。JR北海道は2024年春以降の具体的なダイヤに関して、「詳細が決まりましたら改めてお知らせします」としている。