――今回『ウルトラマンブレーザー』に出演して、ウルトラマンの世界に入ったなと感じたのはどういうところでしょう。

撮影しているときはウルトラマンというより、アクションドラマをやっている感覚でした。ウルトラマンや怪獣が出てくる特撮パートの現場を見たことがなかったですから。ウルトラマンに出ているんだと意識したのは、完成作品でオープニングに私の姿と名前が出たときです。オープニングを観ながら感動しすぎて、ちょっと泣いたくらいです。自分たちが撮影していた部分と、特撮部分が組み合わさったものを通しで観たとき、ウルトラマンの世界にいるんだなあと実感しました。

――第5話「山が吠える」では、アンリ隊員が秋田県出身だと判明しました。幼なじみと再会して東北弁が出てしまうシーンでは、セリフが大変だったのではないですか。

方言指導の先生から最初に音源を送っていただき、それを聞いてセリフの練習をして臨みました。ロケ現場にも先生がいらしてて、アドリブで増やしたセリフの発音を修正していただいたりしましたね。

――山怪獣ドルゴの背中にのぼり、御神体を刺して封印するといった、身体能力に優れたアンリ隊員ならではのシーンがありました。

あの撮影は難しかったですね……。刺すところの穴がジャストサイズでけっこう小さく、御神体になる石が意外ともろくて。刺しどころが悪くて石が欠けたりすると、修復が大変で。だからといってゆっくり刺すわけにもいかず、何テイクも撮り直しました。

――第9話「オトノホシ」では、回想シーンで10年前のアンリを演じられました。髪が短かったり、服装が違っていたりして、新鮮な印象でしたね。

過去のアンリなので、ガラッと違う印象にしたいということで、ウイッグを着けて髪を短くしました。あんなに短いのは幼稚園以来です(笑)。ジャージの上下も含め、一目見て「回想だな」とわかればいいなと思って演じました。

――エピソードの最初と、中盤ごろのアンリ隊員では、何か心境的な変化があったりしますか?

SKaRDに配属される以前はゲント隊長みたいな人がいなくて、きっとアンリは上の人に自分の意見を言わずにただ従うだけという気持ちで仕事をしていたはずなんです。だからSKaRDでは最初戸惑い気味だったのですが、回を重ねるごとにだんだん自分の「素」が出てきたところですね。第13話「スカード・ノクターン」ではエミ隊員(演:搗宮姫奈)と女子トークがあったりして(笑)、アンリのこれまでとは違う一面が見せられたのではないかと思います。

――改めて思いますが、SKaRDのみなさんは役に入っているときと普段との差が感じられず、そこに人間味を感じさせますね。

そう思います。それぞれが役と本人との性格的なものが変わらなくて、それもあってキャラクターの厚みが出ているのではと思います。SKaRDメンバーはプライベートでもLINEでやりとりをしているんですけど、ゲント隊長は普段から発言内容がゲント隊長ですし、テルアキ副隊長(演:伊藤祐輝)もヤスノブ(演:梶原颯)も、ドラマを撮影しているときと普段でいるときとぜんぜん変わってなくて、すごく自然なんです。撮影が終わった後でも、みんなとても仲がいいんですが、特にヤスノブは「筋トレ」界隈の人間なので、共通の友だちがいっぱいいるんです。私の友だちが、ヤスノブとも友だちだったというケースがすごく多い(笑)。SKaRDメンバーがプライベートで集まり、ご飯を食べに行ったりイベントに行ったりすることもしょっちゅうです。

――夏の池袋サンシャインシティ「ウルトラヒーローズEXPOサマーフェスティバル(ウルサマ)」にSKaRD隊員が交代で出演されましたが、アンリ隊員として子どもたちと直接お会いしたときのお気持ちを聞かせてください。

エミちゃん出演の回に、私とテルアキさんとでこっそり観に行ったんですが、子どもたちの声援がすごくて、その時点でもうウルウル来ちゃいました。そのあとみんなでお食事会をしたとき、ゲント隊長が「会場の子どもたちの声を聞いたら、セリフとか全部飛びそうになるから気をつけたほうがいいぞ」ってアドバイスしてくれて、次に出演が控えていた私たちはその言葉を大事にして、飛ばさないように気を引き締めていました。ショーのときは演技をしているから大丈夫ですけど、グリーティングタイムになるともう熱い感情がこみ上げてきて、大変でしたね。わーっと子どもたちが押し寄せてきて、嬉しかったです。子どもたちも大人のみなさんも、私たちの力になってくれる、これからも頑張ろう!という気持ちになりますね。

――『ウルトラマンブレーザー』後半エピソードに向け、アンリ隊員はどういう変化を見せるのでしょうか。

だんだんSKaRDの仲間と打ち解けてきたアンリですけど、まだ自分ひとりでやれる、他人を頼りにしないという部分も残っていました。これから先、どんどんストーリーが重みを増していきますが、そんな中でアンリも仲間を信じ、頼っていくといった人間的成長が見られるのではないかと思います。『ウルトラマンブレーザー』後半もどうぞお楽しみください!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京