“素敵なヘアスタイルをしている著名人”を選出する「ベストヘア2023」の表彰式が23日、広島市内のホテルで行われ、70代の部でアーティスティックスイミング指導者の井村雅代氏が受賞した。
■若さの秘けつは「引かないこと」
今回の受賞に、井村氏は「このような私には似合わないと思っていた賞を受賞するので驚いているとともに、本当に光栄に思っております。美に関係ある勝負ですから、選手をどうかして美しくしてやろうと、もうこだわりまくってた私がこういう賞を頂くっていうことは、やっぱり誰かに見られてたんだと今初めて気がつきました」とコメント。
また、「このヘアにしてから20年経つんですけれども、朝起きてドライヤーを当てたことは1回も1日もありません。朝起きたらブラシで解いて手でビチャビチャってして、それで終わりです。こんな楽してていいのかなと思いましたけれども(笑)、本当にうれしく思っております」と心境を吐露した。
73歳の同い年である司会の宮本隆治アナウンサーから「若さの秘けつは何ですか?」と聞かれると、「もし若く見えてるんでしたら、やっぱり一線で戦うこと、引かないこと。よく年齢を重ねたから後ろに下がるとか言いますけども、前に出なくても自分の能力を無理して出してることだと思います」と回答した。
厳しい指導のイメージがある中で、選手に寄り添う気持ちを大事にしているのだそう。「良くても、特に悪くても絶対にその選手から離れないこと。良い成績がとれないときは私のせいです。選手の前で『私のせいでごめんね』なんて言ったら責任転嫁するから絶対言わないけれど(笑)、ダメなときは私のせい。それを全部かぶる心構えがありますし、そうやってやってきました。選手のせいじゃない、コーチのせいです」とその姿勢を語る。
一方で、「女性って男性よりも気強いですよね。だから傷つきにくいし、立ち直りも早いし、それは同性として知ってますから、『今日はちょっと傷つけて帰らしてやろう』と思うときもあります(笑)」と計算しているそうだ。
アーティスティックスイミングでは、演技中に髪の毛が落ちてこないようにコーチとして細心の注意を払っているのだそう。また選手たちは、髪を上げるためにある程度長さを保っていないといけないため、「シーズン終わったらまずは髪を切るんです。それは気分転換にもいいことだと思っています」と裏側を明かした。
それほど神経を使う競技だが、「やっぱりこだわらないとダメです。スポーツだけじゃなくて、何でも物事をするときにこだわらない人はダメだと私は思うし、見えないところにこだわって初めてものになるかなって思ってます」と強調。「少しのことをこだわって少しでもいい状況で試合に出さしてやりたいという気持ちは人一倍こだわりまくるコーチです(笑)」と、指導者としての哲学を力強く述べた。
■栗原恵、上村愛子らも受賞
全日本美容業生活衛生同業組合連合会(全美連)が主催するこの賞は、全国5万軒以上の加盟店と一般から募集し、その結果を元に選考委員会が受賞者を決定。今年は、多くのスポーツ大会が世界各地で行われ、スポーツ選手への投票が多く寄せられたことから、受賞者はパリ五輪の内定者やコーチ、各競技のレジェンドたちが選出された。
10代は森秋彩(20 ※交渉時19歳、スポーツクライミング)、20代は江村美咲(24、フェンシング)、30代は栗原恵(39、バレーボール)、40代は上村愛子(43、フリースタイルスキー・モーグル)、50代は山口香(58、柔道)、60代は山崎浩子(63、新体操)、70代は井村雅代(73、アーティスティックスイミング)が受賞している。