BPO青少年委員会は、9月26日に行った会合で、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題に対する“マスメディアの沈黙”について議論した。

BPO事務局が入る千代田放送会館

BPO事務局が入る千代田放送会館

同事務所が設置した外部の専門家による「再発防止特別チーム」は、放送局がこの件をほとんど報道してこなかったとして、「マスメディアの沈黙」と指摘した。

この問題について、BPO青少年委員会の委員の1人は「あの調査結果を聞いたとき、(被害を受けた男児が)何百人もいたとされていることに驚いた。(“マスメディアの沈黙”と指摘されていることは)放送局の大きな危機ではないか。経緯を検証して、きちんと乗り越えないと、局の信頼がなくなってしまう。BPOとしても何ができるのかを考えたい」と述べた。

別の委員からは「放送業界はいま、(加害者である)創立者が健在のうちは不問に付しつつ、その事務所のタレントを起用しつづけてきた姿勢が問題にされている。まさに放送倫理や人権の問題だと思う」という意見も。

また、「たとえば国連の『子どもの権利とビジネス原則』についての勉強会を開いたらどうか。今回のような問題が二度と起きないようにするために放送局はどうすべきなのか議論していきたい」と提案する意見や、「視聴者である青少年にとってみると、タレントに罪はないと信じているのに、その人がテレビから消えてしまう。『推し活』やファン・カルチャーが発展しているなかで、青少年の人たちにとって大きなショックだ。それに対する何の説明もないし、大人の事情でそうなったとしか言われない」と、テレビ局の対応を懸念する意見も出た。

同委員会ではこの性加害問題について、引き続き議論していくことを決めた。