阪急電鉄は、京都線の新型特急車両2300系、神戸線・宝塚線の新型通勤車両2000系をそれぞれ新造し、2024年夏から順次、運用を開始すると発表した。2300系に同社初の座席指定サービスも導入予定。2300系・2000系の主要車両諸元も公開している。

  • 阪急電鉄が新型車両2300系・2000系を2024年夏から導入すると発表した

新型車両2300系・2000系ともに日立製作所が構体(アルミダブルスキン構造)・艤装を担当。8両編成(4M4T)の両先頭車と4・5両目を付随車(T車)、2・3・6・7両目を電動車(M車)とする。両先頭車に電動空気圧縮機、大阪方から2・6両目に集電装置(パンタグラフ)と制御装置、大阪方から3・7両目に補助電源装置を搭載する。

京都線の新型特急車両2300系は、大阪方から「2300(Tc)」「2800(M)」「2900(M’)」「2350(T)」「2450(T)」「2850(M)」「2950(M’)」「2400(Tc)」とされ、最大寸法は車体長18,900mm・車体幅2,830mm・車体高さ4,095mm。車内は「セミクロスシート仕様」で、定員は先頭車112名・中間車124名(大阪方から4両目を除く)となる。

大阪方から4両目(2350)は座席指定サービス提供車両に。定員は40名で、同じく京阪間を結び、横3列(2列+1列)のリクライニングシートを採用した京阪電気鉄道8000系・3000系「プレミアムカー」の座席数(40席)と一致している。2300系における1編成(8両編成)あたりの定員は合計884人に。なお、京都線の座席指定サービスについて、「詳細は後日発表します」(阪急電鉄)とのこと。

神戸線・宝塚線の新型通勤車両2000系は、大阪方から「2000(Tc)」「2500(M)」「2600(M’)」「2050(T)」「2150(T)」「2550(M)」「2650(M’)」「2100(Tc)」とされ、最大寸法は車体長19,000mm・車体幅2,770mm・車体高さ4,095mm。車内は「ロングシート仕様」で、定員は先頭車117人・中間車129人、1編成(8両編成)あたりの合計1,008人となる。

  • 2300系の車内は「セミクロスシート仕様」、2000系の車内は「ロングシート仕様」になるという

  • 2300系・2000系の車種・車両番号

制御装置に関して、2300系は「ハイブリッドSiC IGBT VVVFインバータ制御装置」、2000系は「All-SiC MOS-FET VVVFインバータ制御装置」とされている。

その他、台車は「ボルスタ付きモノリンク台車 M車:FS579M T車:FS579T」、主電動機は「全閉式高効率主電動機 190kW×4台/両」、補助電源装置は「IGBT ダイレクト変換3レベルインバータ 180kVA」、電動空気圧縮機は「三相交流誘導電動機駆動オイルフリースクロールコンプレッサー」、ブレーキ装置は「全電気指令式電磁直通空気ブレーキ装置(電力回生優先ブレーキ)」、空調装置は「集約分散式 冷房能力27.91kW 2台/両」とのこと。