第36回「於愛日記」は、通常の回とは異なり、於愛のモノローグで日記のように描かれた。

「これまで彼女の過去はほとんど描かれていなくて、彼女の思いもわからず、一途に殿をお仕えしていた。だからこそ泣きました。殿のお尻を叩いた初登場シーンの前が描かれ、実はつらいけど自分で笑顔を作り、戻ったときに殿がたまたまいて、あの初登場シーンに。それはゾクッとしました」

そして、葛藤を一切見せない於愛の強さを感じたという。

「妻だけど本当にお慕いしている方ではないというのが彼女の中ではずっとあって、葛藤はあるけどそれを一切見せないというのが彼女の強さだと思いました。第35回までは、明るさが強みだと思っていましたが、実は自分の感情を押し殺してお仕えしていたという強さ。過去を引きずりながらも愛を与えようと思っていたけど、実は愛をもらって助かっていたことに気づける強さが描かれ、それが表現できればと思いました」

演じながら「この方がもっと年を取った姿も見たかった」という思いも芽生えたという。

「彼女は目の悪い方たちにご飯を与えたり、衣服を与えたり、愛をすごく与えるからこそ、たくさんの人に愛されていて、愛にあふれた方だなと思いました。だからもし彼女がもっと長生きされていたら、瀬名様すらも超えるすごい方になっていたのかなと思います」

■松本潤の座長ぶりをリスペクト「本当についていきたいと思う方」

本作での家康の魅力については、「とても不器用なところ」だと語る。

「誰よりも一番上に立っていないといけない人だけど実は弱くて、考えすぎたり、思っているようにうまくいかなかったり、横にいて支えたいと女性が思うような方だなと思います。私は、夜2人でお茶を飲みながら話すシーンがあり、殿の弱い部分にたくさん触れていたと思うので、そこが殿の魅力だなと思います」

また、松本の座長ぶりを心から称賛。

「本当に現場を引っ張ってくださる方。細かな気遣いもしてくださって、セリフでやりづらいところがあったら何度も確認してくださり、360度常に見ている方なのでかっこいいなと思いました。家臣団の皆さんが『殿!』と慕っている意味がわかりました。本当についていきたいと思う方です」

ちなみに、第36回で本当の笑顔を家康に見せたシーンは、アドリブで撮影したという。

「最後に縁側でキャッキャしているところは完全にアドリブで、動きをおおまかに決めて、その中でやりました。殿がどんな動きをするのかわからなかったので、セリフのレパートリーをどうしようと思いながら、でもシンプルに楽しくできました」