『ゴジラ-1.0』(2023年11月3日公開予定)の公開を記念し、本作の監督・脚本・VFXを務める山崎貴氏による「『ゴジラ-1.0』公開記念 山崎貴セレクション ゴジラ上映会」の第1回目が15日、池袋HUMAXシネマズで開催された。
イベントでは、シリーズの原点でもある『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』(1954年製作・2014年公開)を上映。トークショーには山崎貴監督に加え、特別ゲストとして『シン・ゴジラ』(2016年公開)の監督をつとめた樋口真嗣監督も登壇した。
トークショーの冒頭で山崎監督は「私もスクリーンで“初代ゴジラ”を観るのは初めてです。一緒に楽しみましょう!」と挨拶。古くから親交のあった両監督はトークショーの開始早々、若かりし頃に下北沢の飲み屋で共に過ごしたエピソードで盛り上がり、当時の懐かしい話に会場は笑いで包まれた。
樋口監督は山崎監督が新作ゴジラを作ると聞いた時の気持ちを、「ほぼ同じ時期にこの世界に入った人ですし、当時は山崎さんの作った『マルサの女2』の悪夢を見るシーンについて「あれ、どうやったの?」と飲み屋で聞いたり、そんな時代から知っている人が作ると聞いて、嬉しかったですね。」と語った。
また、山崎監督は「『シン・ゴジラ』はやっぱり意識しましたね。改めて見直しましたし、どうやったら違う路線で作れるか、とずっと意識して考えていきました。」と想いを打ち明けた。
そして『ゴジラ-1.0』の予告編の話になり、樋口監督は「足の爪がカッコいいですね。怪獣特撮映画を作っていると足の爪が引っ掛かってしまったりと難しいんです。今回、3DCGだからこそ出来た爪だと思います。足の指の表情がとても良いですし、今までのゴジラのどれとも似ていないと、凄い良いなと思いました。」と樋口監督らしい意見で絶賛。
さらに『シン・ゴジラ』の製作秘話に移ると、樋口監督は「尻尾をこれでもかと言うくらい長くしたんです。着ぐるみだとしっぽがあると扱いにくい。ゴジラのカッコ良い部分は実は尻尾だとずっと思っていて、着ぐるみだと絶対できないくらいの尻尾の長さにしました。その結果、困ったのはフィギュアの置き場でしたね(笑)。」と話し、山崎監督も「着ぐるみで撮ったことが無かったので、その発想には至らなかったですね(笑)」と笑いながら話した。
そして、トークショーの後に上映される“初代ゴジラ”について、樋口監督は「1954年の“初代ゴジラ”の後半を改めてみると、今だからこそ伝わってくるものがあります。何年か前にもう一度見て、ボロ泣きしてしまいました。感動できる映画なんだと改めて思いましたし、そういう要素があるからこそ、今のゴジラに繋がってるんじゃないかなと思います。」と、山崎監督も「樋口さんの言うように、改めて人間ドラマの重厚さや素晴らしさが伝わってきます。是非そこに注目してほしいです」と魅力を語った。
トークショーの最後、再び新作『ゴジラ-1.0』の話になると、樋口監督は「早く観たいです。誰も見せてくれないので、誰に言えば見せてくれるんですか?(笑) 正直に言えば、期待もあるけれど、嫉妬心みたいなものもあります。良いなぁ、ゴジラ映画をやれて良いなぁと思ってしまいます。暴れているゴジラを観て、ずるい!その手があったか!となってしまいますね(笑)」と正直な気持ちを吐露し、山崎監督も「偉大な先人たちが作ってきたゴジラなので、相当なプレッシャーもありましたし、『シン・ゴジラ』の後ということも大変だったんですけど、中々なものが出来たと思っています! 是非楽しみに待っていただければと思います。」と自信を込めて話した。
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